中川五郎が語る、フォーク・ソングとの出会いからコロナ禍までを描いた自叙伝

書籍『ぼくが歌う場所 フォーク・ソングを追い求めて50年』表紙画像

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2022年4月の特集は「最新音楽本2022」。パート2は平凡社から発売された『ぼくが歌う場所 フォーク・ソングを追い求めて50年』にスポットを当てる。著者のシンガーソングライター、評論家、訳詞家である中川五郎本人をゲストに迎え、自身の名曲を辿りながら本の内容について語る。

田家秀樹:こんばんは。「J-POP LEGEND FORUM」案内人・田家秀樹です。今流れているのは中川五郎さんで「腰まで泥まみれ」。1969年URCから発売になったアルバム『六文銭 ・ 中川五郎』。片面が『六文銭』、片面が中川五郎さんというアルバムの曲でした。今日の前テーマはこの曲です。

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腰まで泥まみれ / 中川五郎

今週は去年の秋に平凡社から発売になった中川五郎さんの自叙伝『ぼくが歌う場所 フォーク・ソングを追い求めて50年』のご紹介です。ゲストにお迎えしているのは著者の中川五郎さん。1949年生まれ。1967年に中川五郎さんが書いて、高石ともやさんが歌った「受験生ブルース」がヒットして注目を浴びました。1969年に自身がシンガーソングライターとしてデビュー。「腰まで泥まみれ」はアメリカのフォークシンガー、ピート・シーガーの日本語カバーです。中川五郎さんはシンガーソングライターだけではなく、アメリカンミュージックを紹介する評論家、訳詞家としても活躍されております。『ぼくが歌う場所 フォーク・ソングを追い求めて50年』は、フォーク・ソングとの出会いに始まり、コロナ禍での最近の活動までを綴った自叙伝です。彼を通した日本のフォーク・ソングの歩みをたどった本でもあります。こんばんは。よろしくお願いします。

中川五郎:こんばんは。

田家:五郎さんは評論や翻訳の本もたくさんお出しになっていますけども、自叙伝というのは?

中川:自叙伝と紹介していただいたんですけども、今回出した本は1960年代半ばから日本でアメリカの影響を受けたフォーク・ソングがどういう流れを辿って変化して、どういうことがあったかという、その現場に身を置いていた者からの1つの記録としてまとめたい気持ちがありました。自叙伝でもありますけども、1つの記録本でもあればいいなと思っております。ちょうどやり始めて50年でそれなりに区切りにもなるし。

田家:50年という時間が経って2022年、世の中がこんなふうになる中であらためて自分が歌うべきこともいろいろ考えてらっしゃるんだろうなという話も伺いながら、今日は進めていけたらと思っています。あらためて1曲目、先程お聴きいただいた、「腰まで泥まみれ」のシングルバージョンをお聴きいただきます。

Rolling Stone Japan 編集部

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