イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォア・ロング

02年にリリースされたデビューアルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』がグラミー賞の最優秀新人賞にj輝いたのは、05年のこと。リーダーのアダム・レヴィンのファンクを効かせたロック・サウンドとキャッチーなメロディをもつファーストの楽曲は、必ず売れるはずだと、レコード会社はひたすら彼らをプッシュし続けた。そのような成功例は、近頃では珍しケースだ。本作は、ファーストを手堅く踏襲している。セカンド・アルバムでよくあるスランプとは、まるで無縁な作品だ。前作は明るいサウンドの中で“別れ”の苦々しさを内に秘めたアルバムだった。今回は、この世の春を謳歌するポップ・スターの日記といったところだ。折にも触れて政治的だったり、社会的なテーマにも目を向ける。しかし、アダム・レヴィンの良さは深さにあるわけではない。その辺をよく自覚した、“いい男・色恋路線”の楽曲がよい。

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