DFAのジェームス・マーフィは、ニューヨークのクラブ・シーンやロック・シーンにまたがるサウンドを生み出してきたプロデューサー・ユニットのメンバー。そのマーフィのソロ・ユニットがLCDサウンドシステム。セカンド・アルバムの今回は、いきなりわかりやすい圧倒的なダンス・チューン「ゲット・イノキュアス(人畜無害になろうぜ)」で幕を明ける。例えば、02年の「ルージング・マイ・エッジ」などは、年を取り始めたあらゆる遊び人たちの悩みを形にしたような、名曲だった。今回は「ノース・アメリカン・スカム」で、今この時代にアメリカ人であることの難しさを歌う。80年代のダンス・クラシックスを思わせる曲が揃っている。がその一方で、ニュー・ウェーヴっぽい「サムワン・グレイト」や「オール・マイ・フレンズ」などは、作品に厚みを与え、不思議なまとまり感を醸し出す。最終曲では、元インディ・ロッカーとしての原点に戻るような音も聴かせる。

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