ライフ・イン・カートゥーン・モーション

イギリスでいきなり大ブレイクしたシンガー・ソングライター、ミーカ・ペニマン。一度はまってしまったら、きっとものすごく好きになってしまうかも。しかし、その一方で、ものすごく腹が立ってくるかもしれない。とにかく、このデビュー作で、レバノン系イギリス人であるミーカは、壮大でド派手な音世界をこれでもかと聴かせる。しかも、たいていは叩きつけるようなピアノと、鼓膜が破れそうなミーカのファルセット(高音)がついてくるのだ。イギリスでヒットした「グレイス・ケリー」などは、十分キャッチーな曲。なのに、はちきれそうなくらいのクラブ・サウンドが詰め込まれていて、あのシザー・シスターズでさえタジタジだ。「バッド・ガール」はいやおうなく、クイーンのフレディ・マーキュリーを彷彿させてオカシイし、「リラックス」もよくできたディスコ曲。駄曲もあるが、飲みすぎた翌朝の自己嫌悪を思い出させるような、魔の快楽アルバムだ。

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