オルタナ・カントリー・ミュージック出身のライアン・アダムス。彼の特徴は、苦悩に満ちたシンガー・ソング・ライターという顔と、生き急ぐガレージ・ロッカーという顔の両方を持ち合わせていることだ。もともとジャンルにとらわれることを嫌うライアンは、これまでの作品の中であらゆるスタイルを試みてきた。そのせいで、しばしば気紛れな音楽性を指摘されることも多かった。そんなライアンも、ついに逃げようがなくなったと言えるのが本作。つまりストレートなカントリー・ロックをやるしかなくなったのだ。内容的にも01年の名作『ゴールド』以来の一貫性を誇っている。バラードもよく出来ているが、光るのはロック・ナンバーの数々だ。

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