FINLANDS塩入冬湖が振り返る10年、「生きやすくなった」理由と子供や家族のこと

FINLANDS

去年、結成10周年を迎えたFINLANDSが周年後初となるフルアルバム『SHUTTLE』をリリースした。Re RECアルバムと題した今作は、FINLANDSの過去曲や前身バンド・THE VITRIOLの楽曲などを今のFINLANDSで蘇らせた作品となっている。音楽活動を始めた10代、FINLANDSとしての歩みを始めた20代、結婚や出産を経た今の30代など、それぞれの側面を感じる1枚となっている。インタビューではこれまでの活動を振り返りつつ、アルバム制作の経緯や現在の人生観や音楽観についても話を聞いた。

関連記事:グドモ、DATS、FINLANDSが共演「JAMESON HALLOWEEN LIVE」レポ



―今は朝10時ですけど、この時間って普段は何をされていますか?


塩入冬湖(以下、塩入):以前だったら寝ていたんですけど、最近は子供の保育園が始まったので強制的に起きることが増えました。

―午前中のルーティーンってどんな感じですか?

塩入:昼過ぎから仕事して、夕方は仕事をしに外へ出かけて夜に帰ってくるっていう感じですかね。

―ご家族ができる前と後で生活リズムって変わりました?

塩入:全く違いますね。一人暮らしの時だったら、1日3、4時間も寝ればそれで十分だったんですよ。深夜に気が向いたら車でいろんなところに行ってみたりして、明け方に寝て昼前に起きて仕事をする感じだったんですけど、今は夜12時とか1時には寝てることが多いので、もう全然違います。あと、産後は全然起きれなくなってしまって。ものすごく寝るようになったんです。生活っていうよりも、自分自身がすごい変わった感じがしますね。今までだったら薄暗くなった頃に外へ出かけることに、ドキドキしていたんですけど、今は日が照ってる時間に外へ出かけるとか、そういうことに魅力を感じるようになりましたね。

―僕は最近、断酒をしまして。

塩入:あ、お酒を辞められたんですね!

―そうなんですよ。断酒したらちゃんと夜に眠れるようになって。朝早くから活動すると自己肯定感も上がった感じがするんですよね。

塩入:へー! お酒は飲まれる方だったんですか。

―それまでは7年くらい、毎日お酒を飲んでいました。

塩入:それを突然やめたら、生活もガラッと変わりそうですね! 

―趣味だったりやりたいことだったり、不思議と変わっていきましたね。塩入さんは30代を超えて変化はありますか?

塩入:26、7歳ぐらいからなんですけど、生きやすくなったなってすごく感じていて。その理由が、より明確に分かってきたのが30代なんです。今までは誰かに優しくしなきゃとか、誰かの望むようにしなきゃとか、何かのためにこうしなきゃとか、いつか後悔しないためにって生きていた部分がすごく強かったんですけど、それが気づかないところで自分を疲労させていたなと思って。いつかの言い訳のために、何か大義名分を求めていた部分があった。でも30歳を超えたぐらいから、もう“自分のため”でいいんじゃないかなって。ただ自分が欲しいから買った。自分がやりたいからやった。自分がここに行きたいから行った。それだけでいいんじゃないかなって思うようになってから、すごい生きやすくなって。生きづらかった理由も、生きやすくなった理由も言語化できるようになったのが30代ですね。

―生きづらく感じていた、きっかけとか要因って何だったですか?

塩入:要因としては、いつも誰かのため、何かのため、いつか自分が悲しい思いをするのが嫌だっていう、予防線をすごい張り続けていた部分があったんです。そういう部分で自分を常に急かしてしまっていた。自分自身がこの人に優しくしておかないととか、この人と会っておかないととか、この人と一緒にご飯を食べに行く時間を作らないととか。そういう風に誰かの要望に全て答えようとするのを、自分に課していた。やっぱり自分の意思と反することをすると、自分自身がすごい疲れてくる。そこが大きいんじゃないかなと思いますね。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE