ドリーム・シアターが語る人気の理由「強固なメロディとフック、高度なテクニックとスリル溢れる展開」

現在のライブ・パフォーマンス

ー1992年に初めての日本公演を行ない、おそらく今回が17回目のライブでの来日となりますが(ソロや別プロジェクト、プロモーションを除く)、初めてドリーム・シアターを見る音楽リスナーに、どんなステージだと説明しますか?

ドリーム・シアターのライブは、統一感のあるショーなんだ。ただ5人の野郎たちがステージに上がってロックンロールするのに留まらず、トータルな完成度の高い音楽パフォーマンスを披露し、ビデオ・ウォールの映像やライティングなどで、ヴィジュアルな要素もある。曲ごとにコスチュームを替えたりはしないけど、エンターテインメントとしてのスペクタクルを提供しているんだ。ある意味ブロードウェイ・ミュージカルのようでもあるけど、インプロヴィゼーションもあって、何が起こるか分からない偶発性のスリルもあるし、とてもエキサイティングだよ。ドリーム・シアターはキャリアが長いけど、デビュー当時の刺激を失っていないのは、そんなところにあるんだ。

ー近年、東京公演はしばしば日本武道館で行われていますが、この会場に特別な思い入れはありますか?

武道館だからといって何か違ったことをやるとか、そういうことはないよ。私たちにとって、どのショーもスペシャルだからね。もちろん初めて武道館のステージに上がったとき(2004年)は、特別な感慨があった。ディープ・パープルの『ライブ・イン・ジャパン』やチープ・トリックの『at武道館』は歴史的名アルバムで長年聴いてきたし、「ついにここまで来たか……」と思ったよ。自分たちがその歴史に連なることが出来るのは誇りにしているし、戻ってくることが出来てうれしいね。

ーギターのネックとショルダー・キーボードを兼ね備えた“ウィザーズ・アックス”を先日SNSで公開しましたが、日本のライブでもプレイするでしょうか?

どうだろうね(笑)。これまでスタジオ・アルバムでは弾いたことがないし、ライブで楽曲を再現するのに必ずしも要らないんだ。でもソロ・スポットで弾いても面白いかもね。ちょっと考えておくよ。ドリーム・シアターの曲は構成のディテールが決まっていて、 それを大きく動かすことは難しいけど、コード進行が決まっていても、各メンバーのソロ・パートは自由が利くし、毎晩同じプレイをするわけではない。オープンな部分もあるし、インプロヴィゼーションを加えるのは楽しいよ。



ー最近SNSでギターの腕前を披露していますが、ライブで弾く機会はあるでしょうか?

うーん、ジョン・ペトルーシの目の前でギターを弾くの? それは何かの罰ゲームかい(苦笑)? このバンドでは彼のギターだけで十分だと思うよ! ただ君の言う通り、1年半ぐらい前からギターの練習をしてるんだ。普段弾き慣れたキーボードとは異なる楽器をプレイしてみることで、新しい視点から音楽にアプローチすることが出来る。それに単なる趣味としても、ギターを弾くのは楽しいよ。でもドリーム・シアターというプロ集団の中でギターを弾く腕はないな。それは私自身が一番知っている。たまに友人のギタリストからレッスンを受けたりして上達を志しているんだ。ジョン・ペトルーシがいろんなヒントをくれるし、マテウス・アサトからも教わっているよ。こないだメガデスのキコ・ルーレイロとロン“バンブルフット”サール、それからポール・ギルバートからもレッスンを受けた。ジョー・サトリアーニの“G4エクスペリエンス”ギター・キャンプにゲスト講師として参加したけど、そのときにアンディ・ウッドから教えてもらったりもした。きちんと系統立って修得するなら1人の先生に教わった方が良いけど、私はいろんなギタリストから学びたいタイプなんだ。

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