若者を殴打し銃を振り回したNBAスーパースター、さらなる揉め事を犯す前兆か? 米

メンフィス・グリズリーズのスター選手、ジャ・モラント(DAVID BERDING/GETTY IMAGES)

10代の若者を殴打する、Instagramのライブで銃を振り回すなど一連の騒動で、米NBAメンフィス・グリズリーズのスター選手ジャ・モラントの将来に赤信号が灯っている。

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2022年6月、Twitterで「悪ぶる」理由をと尋ねられたNBAスター選手のジャ・モラントは、そのユーザーにこう返した。「金持ちになっても俺は変わらねえんだよ。昔も、今も、この先も。ナメた口きくんじゃねえ」。中流階級で育ったモラントの生い立ちを知る人は、芝居がかっているというか、バスケットボール界の神童が過剰反応しているかのように感じた。彼は具体的に何を言わんとしているのか? 苦難の中で刷り込まれ、いまだ捨てきれずにいる「掟」への固執? それともイメージに対するこだわり? 何にせよ捨て去ってほしいものだ。なぜなら彼は今、暗黒面に一直線に進んでいるのだから。

3月4日、メンフィス・グリズリーズのスター選手はInstagramのライブで銃をちらつかせ、チームから当面外された。今回の一件は、世間を騒がせた出来事が相次いだ1年の最新事例でしかなく、飛ぶ鳥落とす勢いの23歳に対する世間の見方も変わりつつある。2022年7月6日、モラントは最大で2億3100万ドルにものぼる5年契約を更新し、グリズリーズのリーダーの座を確立した。それから3週間も経たないうちに問題が発生した。

今年1月にゴシップサイトTMZが報じたニュースによると、昨年7月26日にテネシー州のモラント宅で起きたとされる暴力沙汰をめぐり、17歳の少年が訴えを起こした。TMZが入手した裁判資料によると、草バスケの試合中に口論になり、少年が投げたボールが「偶然」モラントの顔に当たった。するとNBAスターは少年を何度も殴り、警察官によれば少年の頭に「大きなコブ」ができたという。

3月初めに掲載されたワシントンポスト紙の記事には、モラントが仲間たちと起こした暴力行為に関する2件の警察調について詳しく書かれている。1つめの調書には昨年7月にモラント宅で起きた騒動の詳細が綴られている。モラントは10代の少年(本人はモラントの元弟子だと主張)を「12~13回」殴り、家の中に入った後、「ズボンの腰に銃をのぞかせ、片手を銃にかけて現れた」とみられる。モラント本人は、少年が「家に火をつけてやる」と言ったため、自分や家族の身が「危ぶまれた」からだと供述している。

ワシントンポスト紙に掲載されたもうひとつの調書には、モラントと仲間たちがメンフィスのショッピングモールの警備主任と諍いになったとある。モラントは母親と口論になったと思しきFinish Lineの従業員と直接話をつけようとして、「9人ほどのグループ」とショッピングモールに押しかけた。モラント一行はショッピングモールの警備員を脅し、仲間の1人は警備員の頭を小突いたとみられる。いずれの件でも、逮捕者は出なかった。

Akiko Kato

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