KANDYTOWN、日本武道館で刻んだ完璧なエンディング

KANDYTOWN(Photo by Tomoyuki Kawakami)

総勢16名からなるヒップホップクルーKANDYTOWNが、2023年3月8日(水)に日本武道館公演「LAST LIVE」を開催した。当初チケットが即完してしまったことを受け、より多くの人に見てもらえるよう急遽ステージレイアウトを変更し、国内HIPHOPアーティストとしては類を見ない360°床全面LEDステージにて全29曲を披露。同公演は追加したチケットも含めSOLD OUT、1万2千人の来場者を記録した。渡辺志保による本公演のオフィシャルレポートを掲載する。

【画像】日本武道館公演「LAST LIVE」でのKANDYTOWN(全7枚)

2023年3月8日、この日をもってヒップホップクルー:KANDYTOWNはその活動の終演を迎えた。終演を飾るのは、「LAST LIVE」と銘打たれた最後の単独公演。KANDYTOWN単独公演としては初となる武道館での公演。アリーナの中央に鎮座するステージは、周りを360度客席に囲まれ、大所帯クルーとしての魅力を余すことなく伝えるには格好の設計だ。上部には大画面のLEDスクリーンが、床面にも一面のLEDスクリーンが設られており、その佇まいはさながら外界とは異なる空気が流れる神殿のようにも見える。


Photo by cherry chill will.

開演予定時刻を少し過ぎた頃、会場の照明が全て落とされた瞬間に観客席から割れんばかりの歓声が起こる。続いて、客席から照らされるスマホの明かりの渦が会場を包む。舞台上には二基のDJブースが設置され、指揮を執るのはクルー内のDJであるWeelowとMinnesotahだ。客席からの期待の渦が会場全体を包み込むころ、まず流れ始めたのは「Curtain Call」のイントロだ。続いて、ステージ上にはKEIJU、Ryohu、そしてIOの3名が現れる。「Curtain Call」は3rdアルバムにして最後の作品となった『LAST ALBUM』から発表されたリードシングル楽曲でもあり、自らその幕を引こうとするKANDYTOWNのメンバーらの心境をそのまま代弁したような曲、いわば、この日の武道館ライブに向けたアンセムともいうべき重要曲だ。客席からは合唱の嵐が聴こえ、完璧なスタートを切るに相応しい一体感が生まれた。続いて、「You Came Back」、「Last Week」と楽曲が進むにつれてステージ上のメンバーが増えていき、続く「Soul Assassin」が会場に鳴り響く頃には、先述の3名に加えてBSC、DIAN、Dony Joint、Gottz、Holly Q、MUD、そしてNeetz、MASATOらが揃い、メンバー全員がステージに並ぶ。前半は、主に『LAST ALBUM』と2ndアルバム『ADVISORY』からの楽曲で構成される。それぞれのヴァースをしっかりと聴かせるように、マイクパスが繰り広げられる。

今回、総合演出を担当したのはこれまでKANDYTOWNの数々のMVを出がけてきたdutchこと山田健人。LEDスクリーンを贅沢に使用したステージには、楽曲が変わるごとに綿密に用意された映像と照明が映し出され、インスタレーション的な美しさを伴うステージングが実現した。

Rolling Stone Japan 編集部

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