My Little Loverのakkoが語るライブへの想い、困難な時代に伝えたいメッセージ

My Little Loverのakko

 
1995年にシングル『Man & Woman/My Painting』でデビュー以来、数多くのヒット曲を世に送り出してきたMy Little Loverのakko。2020年5月1日にはデビュー25周年を迎え、同年11月にBillboard Liveで行われたアニバーサリー公演も好評を博した彼女が、1月17日(火)に大阪、1月23日(月)に東京の各会場で開催される「My Little Lover ☆ acoakko live winter quartet」で、再びBillboard Liveに帰ってくる。

2006年から行われているアコースティックライブ「acoakko」では、これまでも珠玉の名曲たちを、音数を絞り込んだオーガニックかつアコースティックなアレンジで披露してきた。今回新たにパーカッションも加えたステージは、一体どのようなものになるのか今から期待が高まる。

さらに、「世界平和」を目標に掲げ、環境へ配慮したツアーグッズの制作など自身のライフスタイルに根差した活動をマイペースに続けるakkoは、対立や分断が止まらない今の世界をどう見ているのか。2年半ぶりのライブを前に、その思いをじっくりと語ってもらった。


2020年にビルボードライブで開催された前回公演「My Little Lover ☆ acoakko live, Happy 25th Anniversary」のライブ写真

─akkoさんのセルフプロデュースによる「acoakko」を、そもそも始めたきっかけについて改めてお聞かせ下さい。

akko:もう随分前なので記憶も曖昧なのですが……(笑)。ソロ活動を始めてしばらく経ったある年(2007年)に、アコースティックセットの「acoakko」とバンドセットの「bandakko」を、同じタイミングで同時に何カ所か回ったことがあったんです。感触として、そのときの「acoakko」がすごく面白くて。キーボディストとギタリストと私の3人だけで、どこまでやれるか追求することに夢中になったんです。そこからオリジナル曲をアコースティック編成でアレンジし直すなど、「acoakko」ならではのサウンド作りがいつしかライフワークのようになっていきました。

─今回の参加メンバーについてもお聞かせいただけますか?

akko:実は今回は新メンバーなんですよ。というのも、「acoakko」を結成当初からずっと一緒にやってきた森俊之さん(ピアノ)がスケジュールの都合で難しくなり、代わりに扇谷研人くんという素晴らしいキーボディストに入ってもらって。ギターとチェロを弾く伊藤ハルトシくん、それから「acoakko」としては初の試みでパーカッションを入れることになり、藤井珠緒さんにお願いしました。

─これまで様々な編成でMy Little Loverの楽曲を演奏してこられたと思うのですが、続けていく中で何か気づくことはありましたか?

akko:My Little Loverの楽曲って、基本的には小林武史さんが作詞作曲をされているから、当時の私にとってはかなり「大人の歌」だったんです。その理解の仕方というか、歌詞の捉え方みたいなものは年齢を重ねる中で少しずつ変わってきているように思います。それに、自分が弾き語りでも表現するようになってみると、とにかく転調が多くて難しい楽曲ばかりなんですよ(笑)。それって、歌っているだけではなかなか気づかないところだなと。

─例えば、どの曲でそれを感じますか?

akko:「遠い河」(1998年)という、My Little Loverの2ndアルバムに収録された楽曲があるのですが、最後どんどん転調していくんですよ。1番が終わって大サビへ行って、転調して歌ってまた転調してっていう。そのコードを覚えるのが本当に大変でした(笑)。もちろん歌っていても転調していることは分かっているんですけど、実際に演奏してみると難しいことに気づかされる。「Hello, Again 〜昔からある場所〜」も、サビで転調するのでギターで弾くと非常にややこしくて(笑)。「こんなギターを弾いてたのか、すごいな」と当時のメンバーのことを思い出したりもしましたね。




─もともとakkoさんは音大に在籍されていたそうですが、その時の経験は「acoakko」をやるようになってから生かされている部分などありますか?

akko:それはあると思います。ただ、クラシックってオタマジャクシ(譜面)の世界じゃないですか。ポップスの現場は、例えばコード譜だけが書かれた紙を渡され、そこからヘッドアレンジやインプロで曲を仕上げていくわけで、その差というのはものすごく大きいのですが。

─ライブにはリアルタイム世代のファンはもちろん、その子供たちの世代も足を運ぶようになったと思うのですが、その辺りはライブをされていて実感するところはありますか?

akko:お子さんを連れてライブに来られる方も時々いらっしゃるので、それはすごくありがたいことだなと思います。いまだに初期の曲をCMで使ってもらったり、カバー曲として取り上げてもらったりしたことで知ってもらえたのかなと。いずれにせよ、小林武史さんの作る楽曲の力が大きいと思います。

 
 
 
 

RECOMMENDEDおすすめの記事


 

RELATED関連する記事

 

MOST VIEWED人気の記事

 

Current ISSUE