窪塚洋介が語る、「腸活」と「調和」を大事にする生き方

Rolling Stone Japan vol.20掲載/Coffee & Cigarettes 39|窪塚洋介(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。俳優業だけでなく、音楽活動、モデル、執筆、プロデュース業などもこなす窪塚洋介。YouTubeチャンネル『今をよくするTV』のコンセプト「カラダにいい、ココロにいい、ホシにいい」の真意と、彼が今最もこだわる「腸活」について話を聞いた。

Coffee & Cigarettes 39 | 窪塚洋介

「『縁』や『流れ』を大事にしているんですよ。誤解を恐れずに言えば、『行き当たりばったり』とか『心のままに』という感じかな」

新型コロナウイルス感染症が世界中で広がるなか、「カラダにいい、ココロにいい、ホシにいい」をコンセプトに掲げてスタートしたYouTubeチャンネル『今をよくするTV』について、俳優の窪塚洋介はそう語る。体内環境や地球環境をより良くするスペシャリストたちのもとを訪れ、見学や取材、対談などを通じて一緒に学び、考え、感じることを目的としたコンテンツは、窪塚のファンのみならず、混迷する世の中でより良い生き方を模索する人々に、大きな注目を集めている。

「小さい頃から、少しでも『いい明日』や『いい世の中』をつくるために、何かしら貢献したいという気持ちがあったんです。役者をやったりレゲエDeejayをやったり、モデルをしたり本を執筆したりしていることの根底には、そういう思いがあると気がついて。もちろん好きでやっているし、そんなに高尚な気持ちばかりじゃなくて、楽しんでいる部分もあるんですけど。でも突き詰めれば根っこの部分は同じで、そこから枝葉が分かれているのかなと思うんです」

だったらその「根っこ」の部分をコンテンツにしたら、それがライフワークになるのではないか。そう考え、地元・横須賀で「アニキ」と慕う彼の友人とともに動き出したのが、『今をよくするTV』をスタートしたそもそものきっかけだ。

「興味のある人やものがあったら、とにかく飛び込んでみる。実際に触れてみないと分からないことも結構あるのですが、その精度はスタッフも含めて割と高い方だと思っていますね。歩みは遅いんですけど、確実に仲間が増えているし、一つの繋がりが何倍にも広がっているのを感じています」

そうした様々な出会いや気づきのなか、窪塚が今具体的に実践していることの一つが「腸活」だ。千葉県香取郡にある創業330年の酒蔵『寺田本家』の23代目の当主が執筆した『発酵道』に大きな感銘を受け、腸の仕組みやそこに棲む体内微生物の存在について掘り下げているうち、これまで関心があった「暮らし」や「健康」「生き様」などの根底に「腸」があることに気づいたという。



「『腸活』を学べば死ぬまで自分の力になる。しかもかなり根源的なパワーの源になると確信したので、真面目に取り組んでみることにしました。とはいえ、相変わらずタバコも吸うし酒も飲む。そこもひっくるめてのライフスタイルの中に、『腸活』は重要な位置を占めると思ったんです」

腸は「第二の脳」とも言われるが、窪塚は「腸こそ『第一の脳』ではないか?」と力説する。

「例えばホヤのように、腸管だけで生きている生き物はいますが、脳や肺だけで生きている生き物っていないんですよ(笑)。となると、生物の根本は『腸』だし、人間も脳ではなく腸で考えていることも多分にあるんじゃないか。実際に『肚に落ちる』や『肚を割って話す』『肚黒い』『肚に一物』など、まるで肚でものごとを考えているかのような言い回しが日本語にはたくさんありますよね。昨年、豊田利晃監督の『全員切腹』という映画に出たのですが、当時(明治初期)の人たちは生命の根幹が『腸』にあり、そこを絶たれることが本当の意味での『死』であると知っていたんじゃないかとさえ思うんです」

Photo = Mitsuru Nishimura Hair and Make-up = Shuji Sato (Botanica make hair)

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