コード・オレンジが語る、2018年の秘蔵インタビュー「ポジティブな感情を歌にすることで、ヘヴィさが増した」

コード・オレンジ (Photo by Scott Dudelson/Getty Images for Coachella)

2022年8月14日、幕張メッセで開催される「DOWNLOAD JAPAN 2022」に出演するコード・オレンジ。 米ペンシルヴァニア州ピッツバーグ出身のバンドは、2020年の『UNDERNEATH』で唯一無二のカオティックなサウンドを作り上げ、さらなる進化と変貌を遂げた。今回は米ローリングストーン誌の2018年のアーカイブを掲載しつつ、シーンの次を担う彼らのビジョンを探る。

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グラミー賞受賞式の2週間前、コード・オレンジのドラマー/ボーカリスト、ジャミー・モーガンはレッドカーペットを歩く時に着るオーダーメイドの黒のファーコートを見て感心していた。彼自身、こんな服を手に入れるなどとは夢にも思っていなかった。ましてや、オーダーメイドの服を着てレッドカーペットを歩くことなんて。

「ノミネートが発表されると、Twitterにメッセージが一通きた」とモーガン。彼は今、ピッツバーグにある寝室3部屋のバンドの家で暮らしている。ここは、メンバー全員が育った地元から1マイル程度離れた場所だ。例のコートの写真をスマホで見せながら、「このボニー・レジンスキという女性は衣装デザイナーで、グラミーで着たい服を何でも作ってあげるって言ってくれたんだ。ほんと、赤いペンキとか投げつけられないことを祈るだけさ」と続ける。

3rdアルバム『Forever』の表題曲がグラミーの「最優秀メタルパフォーマンス賞」にノミネートされた。ちなみに、このアルバムはアグロ・ハードコア、不気味なアルトロック、滑らかなインダストリア的テクスチャーが絶妙にブレンドされた作品である。メタル界の新人王であるコード・オレンジは、並み居るベテラン・バンド勢、サザン・プログメタルのマストドン、アイス・Tがフロントを務めるボディ・カウント、スウェーデンのヘヴィヒッターのメシュガーととこの賞を競うことになる(メシュガーの西海岸ツアーではコード・オレンジがオープニングを務めた)。このカテゴリーは、長年に渡ってレジェンド級のバンドであるメタリカやスレイヤーが独占してきたため、コード・オレンジのような新人がノミネートされることは非常に珍しい。そして、珍しいと言えば、ギタリスト/ボーカリストのリーバ・メイヤーズは、このメタルカテゴリーにノミネートされた3人目の女性である。音楽業界で女性アーティスト受難の時期にあって、メイヤーズのノミネートは女性の士気を揺らす小さな刺激となるはずだ。



「他のバンドへの最大限のリスペクトを表しながら、俺たちは勝者のような佇まいで会場に入っていかなきゃならない」と、24歳のモーガンが言う。

グラミー賞のノミネートは、コード・オレンジがバンドとして大きく前進した一歩にすぎない。最初の大きな一歩は、メジャーレーベル、ロードランナー・レコードと契約したこと。次がタイムズスクエアの看板に登場したこと。3歩目はWWEのNXTテイクオーバー・ブルックリンで演奏した最初のバンドとなったこと。そして、影響力のあるバンドのゴジラ、デフトーンズ、システム・オブ・ア・ドーンのオープニングを務め、その流れでマスコアの伝説バンド、デリンジャー・エスケイプ・プランのラストツアーにまで参加した。このような進化を遂げながら、楽曲「Forever」の歌詞である“The freaks will finally have their say/There is nothing you can do to take it”(変人たちがやっと言いたいことを言い出した/それを理解する方法なんて一つもない)がマントラのように拡散している。



Translated by Miki Nakayama

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