J-HOPEが語るソロ作で伝えたいこと、ダークなペルソナ、BTSメンバーとの信頼関係

ソロ作に対するBTSメンバーの反応

ー音楽的にも、本作は正統派のヒップホップサウンドをベースとしている印象を受けます。「What if...」では、オール・ダーティー・バスタードの「Shimmy Shimmy Ya」がサンプリングされていますね。アルバムの方向性の決め手は?

J-HOPE:「What if...」を聴いていただければ、ヒップホップサウンドが僕の礎のようなものであることに気づいてもらえると思います。僕が躍る時に聴いていた音楽や僕らしい音楽など……この曲では、こうしたものを表現しています。僕がやりたいことやできることといったベースに加えて、『Jack in The Box』にはこうした要素が取り入れられています。そうすることで、ビジュアル的にはより誠実でよりJ-HOPEらしいものを表現する一方、いままでとはまったく違う側面を見せられるのです。『Jack in The Box』には、視覚的にも雰囲気的にも楽しくて惹きつけられる要素があると思います。ARMYのみんなは、すごくJ-HOPEらしい表現だと感じてくれると思っています。

「MORE」がリリースされた時は、「J-HOPEがこういう音楽をやるの? これはロック? それともエモ? ヒップホップ? エモロック?」とびっくりした人もいました。でも、アルバム全体を聴いていただければ、J-HOPEがこうした音楽やトラック、歌詞を選んだ理由に気づいてもらえると思います。




ー本作には、「MORE」と「Arson」というふたつのリード曲が収録されています。「MORE」の収録が決定した際の驚きについて発言されましたが、「Arson」を2作目のリード曲に選んだ理由は?

J-HOPE:「Arson」を聴いた瞬間、この曲がアルバムに収録されるのは必然だと思いました。この曲には、最大限のメッセージとエネルギーを注ぎました。この曲を選んだ理由は、曲のスタイルがJ-HOPEの感情の頂点を表現していると感じたからです。「Arson」は、ターニングポイントであると同時に分かれ道のような作品です。この曲には、僕がアルバムに込めようとした炎と情熱があります。「Arson」は、アルバムの最後を飾るトラックでもあるんです。ラストに選んだ理由のひとつは、僕がこのアルバムをつくった理由を見事に総括してくれるからです。この曲は、文章の終わりを示す“ピリオド”としての役割を果たし、アルバムを通じて表現したかったことをはっきりと提示してくれます。



ー「MORE」がリリースされた時、BTSのメンバーもその場にいたそうですね。メンバーは、すでにアルバム全体を聴いていますか? メンバーのお気に入りの曲は?

J-HOPE:アルバムを最初に聴いてもらう相手は、いつも決まっています。僕は、いつも最初にRMに聴いてもらうんです。SUGAに聴いてもらうことも考えたのですが、SUGAはプロセスをものすごく大切にします。「公開後に聴くよ」と言われました。SUGAは、いつもそうなんです。「リリースされたら、自分で入手して聴く」と言われると、少し驚きはしますけど、モチベーションも上がります。そういうわけで、最初にRMに聴いてもらい……その後、JUNG KOOKに聴いてもらいました。ほかのメンバーには、曲のタイトルは伝えましたが、アルバム全体はまだ聴いてもらっていません。

アルバムを聴いたRMは、「ワオ! こういう音楽ができるなんて、知らなかった。衝撃でちょっと頭がフリーズ状態だ」と驚いていました。その一方で「すごく君らしいね。このタイミングでこうした音楽を用意したなんて……すごく尊敬するし、とっても君らしくて最高に好きだよ」と評価してくれました。

JUNG KOOKのリアクションには爆笑しました。アルバムを聴き終わるや否や、JUNG KOOKはスタジオに駆け込んだんです(笑)。自分もやりたい、というモチベーションを感じてくれたのかもしれません。BTSの魅力は、メンバー同士が切磋琢磨しているところだと思います。僕自身、自分が誰かのやる気に火をつけたり、誰かに触発されたりします。誰かがあるジャンルの音楽やアルバムに取り組んでいる時、僕はその人の個性やカラーを見て「僕にも僕のカラーがある。それをみんなに披露したい」と心のなかで思っています。僕たちは互いにポジティブな影響を与えながら、それぞれのモチベーションを高め合っているのです。

「MORE」がリリースされた日は、メンバー全員が仕事でその場にいたんです。全員がこのアルバムの強い視覚的な方向性にとても驚いていました。J-HOPEがこういう音楽をやるなんて、みんな思ってもいなかったのです。

Translated by Shoko Natori

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