Ryohuと岡本ユウジが語る出会い、表現者としてのルーツとデザイン

左からRyohu、岡本ユウジ(Photo by 大童鉄平)

2人のアーティスト、クリエイターをゲストに招き、クロストークとライブにて優雅なひとときをお届けするイベント「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao PRESENTS ~MUSIC LOUNGE~ PREMIUM TALK & LIVE EVENT」が、2022年6月12日、代官山 蔦屋書店「SHARE LOUNGE」で開催された。

長岡亮介と黒沢清をゲストに招いて行われた第一弾に続く第二弾のゲストは、ミュージシャン・Ryohuとデザイナー・岡本ユウジ。岡本がRyohu作品のアートワークを数多く手掛けていることから関わりが深い両者。異なるカルチャーの中で唯一無二の存在感を放つ2人の対談の中では、それぞれに影響を与えたルーツや、一緒にもの作りをする上でのスタンスについてなど、ここでしか聞けないディープな内容の話が語られた。

有観客で行われた本イベントの会場には、20代から30代くらいであろう参加者が多くみられ、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を味わいながらくつろいだ様子で、2人の登場を待っていた。

MCを務める音楽ライターの三宅正一に迎えられて、客席からの大きな拍手とともにステージに登壇した2人。まずは、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」が注がれたグラスを片手に、会場にいる参加者、配信を見ている視聴者と共に乾杯をする。ウイスキーを口にしたRyohuは「美味しいですね。スッキリしていて飲みやすいです」と語り、岡本も「すごく美味しいです。こんな感じでお酒を飲みながらとは贅沢で良い時間ですね」と感想を述べた。世界5大ウイスキーの原酒をブレンドして作られたという「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」。バランスの取れた味わいの中に、多様な個性が感じられるこのウイスキーを、2人ともとても気に入った様子だった。



そして、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」の話の流れで音楽とウイスキーの話題へと移る。自身のスタジオにお酒が置いてあると言うRyohuは「今日は(お酒を飲む)雰囲気でやりたいとか、酔った自分も楽しんでいきたいと思った時はお酒を飲みながら曲を作る時もある。あとは1人では飲まないけど、みんないると飲もうよって感じになる」と語った。一方の岡本は「普段はそんなにウイスキーは飲まないけど、味とかよりは雰囲気作りのアイテムというかファッションという感じで飲んでいますね。最近だと夜にJAZZとかをレコードで聴きながら、お酒が欲しいなって時に、ストレートとかロックで飲みます。何かを制作する時は色々なテンションでやりたいというか。例えば朝起きた時と、お酒を飲んで朝帰った時とでは見たデザインって全然違う」と語った。2人にとってお酒とは安らぎを与えてくれる嗜好品であると同時に、芸術的な感性を引き出すための道具でもあるようだ。

続いて、2人の出会いについて話題は及んだ。



岡本 : 渋谷Neoという場所で、8、9年前にイベントがあったんですよね。そこにお邪魔する機会があってRyohuを見かけて。僕は前からRyohuのことは知っていたんですけど、そのときヒップホップのカルチャーに触れていなくて。もっとパンクとかテクノの現場で遊んでいたので、アウェイな感じで落ち着かないなと思っていたら、一番落ち着き払っていたのがRyohuだった。場を制しているじゃないですけど、中心になっている雰囲気を感じて格好いいなと。そのあとオカモトレイジくんに紹介されたのがきっかけですね。

Ryohu : (岡本との出会い初めの頃は)事務所とか当時ふらっと遊びにいって、仕事でどうのこうのとかっていうより、窓ガラスに小石を投げる感覚というか。自分自身ファッションにそこまで詳しいわけではないけど、服をデザインしている人に直接会うのが初めてくらいで新鮮でした。こうやって考えて作っているんだというのを見せてもらいましたね。



岡本 : Ryohuがいろんな人を連れてきてくれたよね。(Ryohuの音楽を聴くようになったきっかけは)一番最初はCDじゃなくてライブでしたね。池袋BEDのイベントのシークレットゲストで2、3曲やったのがすごく格好よくて。スタイルも違くて。それで聴いてみようと思うようになって聴くようになりました。

それぞれが語る第一印象についての思い出深いエピソードから、2人がお互いにクリエイターとしての姿勢やポリシーに共鳴し、異業種でありながら同じ表現者として良い刺激を与え合う関係であることが感じ取れた。

続いて話題は、お互いが影響を受けたものに関して及んだ。MCの三宅から「これまでどんな音楽に影響を受け吸収してきたのか?」という質問を振られると、Ryohuは「ちゃんと知りたいタイプなので、ハウスとかテクノが好きな時は、本場のカルチャーも含めて知った上で吸収したいと思ってベルリンのクラブに行きました。ライブハウスでバンドの雰囲気を感じたりして、鳴っているから成立している部分を、僕だったらこうしたいっていうのを、日々模索中です」と、多様な音楽性を昇華するために徹底して本物を追求する自身のスタンスについて語った。一方の岡本は影響を受けた音楽について聞かれると「パンク、ハードコアを突き詰めて聴いていましたね。東京にきて、両極端のクラブミュージックやテクノに触れることがありました。やっぱり濃い影響はパンクで、それがはじめて音楽を知った初期衝動でしたね。今じゃ若いパンクの人もいますけど、アティテュードがヒップホップとかのほうにいっている。逆にラッパーとかヒップホップのアーティストからはパンクのようなアティテュードを感じます」と若い頃に聴いた音楽から得たパンク精神が創作活動におけるルーツであることを語った。



あっという間にトークの時間は後半に入り、岡本がアートワークを手掛けているRyohuの5ヶ月連続シングルリリースについて話題は移る。2022年4月を皮切りに、5ヵ月連続で様々なアーティストを客演に招いた楽曲をリリースしており、これまでYONCE、IO、佐藤千亜妃が参加している。

Ryohu : 10代のころからジャンル関係なしにラッパーとしてやってきて、自分の作品を一人で完結して作りたいと思い、できたのが1st Album『DEBUT』。そこで僕なりのやりたいことを終えた時に、次は色んな人とやろうっていうのを頭の中に描いていました。「この人ならこういうのがいいかな」みたいにそのアーティストのことを考えて曲作りをするのは面白いですね。

岡本 : いつもRyohuからは(アートワークに関して)シンプルな依頼を受けます。企業からの依頼だとテーマがあって、しっかり打ち合わせをして仕事っぽいなと思うけど、Ryohuの場合はもっとシンプルにこんなことがやりたいと。必要であればとりあえず会おうよみたいな感じですね。



Ryohu : ものを作る時に、こういう世界観でやりたいというひとつの言葉というより、身振り手振りで余計な事も含めて今の自分の感情を知ってもらいたくて。アート自体に対しては、自分が答えを出すより、雰囲気を伝えてユウジくんから出てきたものを楽しみたいですね。

岡本 : 信頼されているからこそ100%で返したいという責任感はありますね。今回はRyohuが珍しく自分を前に出すというお題だったので、パーソナルな部分を前に出したデザインにしようと思い、愛犬や愛車とかRyohuの周りで愛のあるものをジャケットに登場させています。

Ryohu : 今回は楽曲の整合性というよりも今までやってこなかったことをアートワークで表現したかった。だから自分を前に出すデザインにしようと思いました。なので今回はジャケ一発で印象的なもの、聴いてみて「内容ヤバ!」みたいになるようなものを作りたいと思っていましたね。

お互いの信頼とリスペクトを聞けたところで和やかなクロストークの時間は終了となり、Ryohuによる一夜限りのスペシャルライブが行われた。SANABAGUNのギター磯貝一樹を迎え、1曲目はクリーンギターのジャジーなイントロから始まる楽曲「Call Your Name」。アコースティックアレンジのシンプルなサウンドが歌詞に込められたメッセージを際立たせる。切ないメロディーとRyohuの甘い歌声が会場を包み込み、一瞬にしてそこはチルなライブ空間に。2曲目はリズミカルで聴き心地の良いフロウが魅力の楽曲「Ain’t No Holding Back」。「アコースティックばかりじゃつまらないと思うので」とRyohuがiPhoneからビートを流すところから始まった3曲目はメロディアスなRyohuのラップが光る「All in One」。続く4曲目はゆったりとしたスロウテンポにエモーショナルな雰囲気漂う歌声が響く楽曲「Forever」。大人の色気を感じさせるRyohuの気だるげな歌声に観客の心はますます引き寄せられる。そして最後の曲はグルーヴィーなカッティングギターにRyohuの抑揚に富んだラップが冴え渡る楽曲「誰?」。観客たちのクラップにノリながらしっとりと歌い上げて、パフォーマンスを締めくくった。



スペシャルライブが終わり、再び3人がステージ上に登壇すると、Ryohuは「久しぶりのアコースティックライブに緊張した」と言いながら、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を嗜みリラックスした様子。それを見て「格好よかったです」と笑顔の岡本。最後に、そんな2人にMCの三宅が「異業種の方たちと触れることで新しい何かが生まれる、ということに関してどう感じているか?」を尋ねた。

Ryohu : 僕としては、音楽は、アートワークだったり、ライブだったり、照明だったり、自分で録音したものだけじゃないところで色々な人と関わることで、より一体化するというか。アートワークひとつで音楽を聴きたいなと思わせてくれたりする。他の人とやることによって生まれる自分の表現の拡張もそうだし、作っていた自分でさえこうなるんだ、という新しい発見もあるので、絶対に必要なものだと思います。

岡本:異業種と触れてなんぼっていうか。新しいものとか価値観を作ろうと思ったときって、畑違いのところからアイデアを持ってきたり、一緒でやることで何かと何かの中間をとることが新しいものになるんです。そこが大事だし、異業種とのふれあいとか関わりはすごく大事なことだと思います。自分の予想している範囲内だけで生活していると、自分の想像を超えてこないので、違うアクシデントが必要なんじゃないかなと思います。

こうして、約1時間にわたって行われたトークセッション&スペシャルライブは終了の時間となった。次回、6月26日に開催される第三弾のゲストは、ミュージシャンの角舘健悟(Yogee New Waves)と映像作家/ミュージシャンの山田健人。世界5大ウイスキーの原酒をブレンドして作られた、個性豊かで味わい深い「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」。上質な音楽に包まれながら、このウイスキーとともに優雅なひとときを、あなたも堪能してみては。





「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao PRESENTS ~MUSIC LOUNGE~ PREMIUM TALK & LIVE EVENT」概要

日時:①5月13日(金) 20:00~21:00 / ②6月12日(日) 17:00~18:00 / ③6月26日(日)17:00~18:00
参加費:無料 
定員:来店参加:各回定員40名/オンライン参加:無制限
場所:代官山 蔦屋書店 3号館 2階 SHARE LOUNGE
オンライン配信:代官山 蔦屋書店の公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCh_C-dc_SUyjPdgOXYxiUsA)より、無料生配信を実施
(※来店参加の場合、「Peatix」での事前応募・抽選となります)
主催:代官山 蔦屋書店 
共催:サントリースピリッツ株式会社
予約方法:来店参加ご希望の方は、イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にてご応募ください。



【第1回】日時:2022年5月13日(金)20:00~21:00 音楽家 長岡亮介 × 映画監督 黒沢清(※終了)




【第2回】日時:2022年6月12日(日)17:00~18:00 ミュージシャンRyohu × デザイナー 岡本ユウジ(終了)




【第3回】日時:2022年6月26日(日)17:00~18:00 ミュージシャン 角舘健悟(Yogee New Waves) × 映像作家/ミュージシャン 山田健人

配信先のURLはこちらから⇒https://youtu.be/ri3Kde0ibPQ
来店参加申し込みは、こちら



■SHARE LUNGEのアルコールプランで「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を試飲

4月29日(金・祝)~6月26日(日)の期間中、世界5大ウイスキー産地を知れる展示を行うほか、SHARE LOUNGEのアルコールプランをご利用のお客様は、SUNTORY WORLD WHISKY 碧Aoをハイボールやロックで楽しめる。
アルコールプランの詳細はこちら(https://store.tsite.jp/daikanyama/floor/shop/share-lounge/)。

<開催記念キャンペーン ゲストのサイン色紙を抽選でプレゼント!>
音楽とお酒を愛する皆様への特別コンテンツとして、とっておきのキャンペーンをご用意いたしました!代官山 蔦屋書店Twitterアカウントをフォローの上、本イベントに関する該当投稿をリツイートいただいた方の中から抽選で、各回1名様限定で出演ゲストの色紙をプレゼント。

※詳細・応募方法は以下。
イベント特設ページ:https://store.tsite.jp/daikanyama/event/shop/26097-1537570418.html
代官山 蔦屋書店 公式Instagramアカウント:https://www.instagram.com/daikanyama.tsutaya/
代官山 蔦屋書店公式Twitter アカウント:https://twitter.com/DAIKANYAMATSITE?s=20

Rolling Stone Japan 編集部

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