堀込高樹が語る「一歩踏み出す勇気」 KIRINJIの新しい季節と素敵な予感

KIRINJI・堀込高樹(Photo by Rika Tomomatsu)

 
KIRINJIがニューシングル「Rainy Runway」を6月22日にリリースした。ここでは生楽器主体のアンサンブルを披露。ソウル風のミドルチューンには、好評だった昨年のアルバム『crepuscular』を経て、さらなる変化を求めた堀込高樹の想いが込められている。新曲の制作背景、8月20日に出演するサマーソニックについて語ってもらった。

【画像を見る】堀込高樹 撮り下ろし写真(記事未掲載カットあり)

—最近はいかがお過ごしですか?

堀込:ちょこちょこ忙しいですね。レコーディングがあったり、ライブやフェスのリハーサルがあったり、毎日何かしら仕事している感じです。

—大変そうですね、『crepuscular』から半年しか経っていないのに。

堀込:ライブやフェスができない時期がしばらくあったので、今年はちょっと多めにやろうと。でも、それがひと段落してから制作となると、リリースが年末以降になってしまう。こういう世の中ですし、前のアルバムから1年後にやっと新曲を出すようでは遅いんじゃないかなって。それでシングルを出そうと、3月から制作とレコーディングを始めました。本当ならスッと出せるはずだったんですけど、途中でフェスを2本挟んだのもあって(5月開催の「FUJI & SUN ’22」「森、道、市場2022」)出来立てホヤホヤです。


Photo by Rika Tomomatsu

—そんな新曲「Rainy Runway」は今の時期にぴったりですね。

堀込:そう、6月に出すから雨にちなんだ曲にしようと。最近はそういう曲を書いてなかったなと思って。

—キリンジ時代はよく書かれてましたよね。「雨を見くびるな」(1998年)、「朝焼けは雨のきざし」(2008年)、作詞は泰行さんですが「雨は毛布のように」(2001年)、KIRINJI名義だと「絶対に晴れて欲しい日」(2016年)もある意味そう。「雨」というモチーフはお好きでしたか?

堀込:まあ、画が浮かびやすいですよね(笑)。あとは今回の曲でいうと、人間ってだんだん固まってくるじゃないですか。新しいことを始めるのに抵抗を感じたりとか。そこで、ちょっとだけ踏み出してみようと。そういうポジティブな歌詞にしたら、雨の捉え方も楽しくなるかなと思って。



—昨年の「再会」〜『crepuscular』を経て、新しい季節を歌っているのかなとも思いました。“きっとまたどこかで 激しい雨に出くわすだろうが 昔より賢くタフになった僕らなら大丈夫さ”という一節もあるように。

堀込:そうですね。ただ、コロナ云々というのはそこまで念頭になくて、「新しいことを始めよう」という衝動の方が強かったです。体制も変わってアルバムも出したけど、気分としては『cherish』(2019年)の延長線上だったので、もっと目先を変えたものを作りたいなと思っていて。それが何かはまだわからないけど……そういう気持ちの表れというか。

—バンド体制になったときも、『11』(2014年)はキリンジの延長線上でしたけど、その後の『ネオ』(2016年)で一気に生まれ変わった。ソロ・プロジェクトとしてのKIRINJIも、そういう時期を迎えようとしているのかもしれないですね。

堀込:書く曲そのものを劇的に変えたいわけではないのですが、しばらくエレクトロニクスを多用してきたことによって、どうしてもアレンジの重心がそっちに向かっちゃうんですよ。そうではなくて、オーセンティックな演奏だけど新鮮に感じられる、そういう落とし所をアレンジやミックスなどで模索しているところです。

 
 
 
 

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