クリープハイプ尾崎世界観が語る、初歌詞集に綴られた「言葉」のバックグラウンド

「ex ダーリン」をリリースする意味

―そんな歌詞集に『私語と』というタイトルを付けたわけですが、私語と仕事を掛けたタイトルはどんなところから?

自分の言葉で仕事ができるというのは、すごく恵まれていると思うんです。社会人としてやっていく上では、自分の本意ではない言葉を使っていかなければならないことが多い。でも、ミュージシャンや作家は自分の言葉でちゃんと歌え、書けと言われるじゃないですか。それってすごく難しいことなんですけど、同時に恵まれているとも思う。これからもずっとそれを続けていきたいし、私語を使って仕事をしているということを改めて考えて『私語と』と付けました。

―私語を辞書で調べてみたら、黙っているべき状態の中で話をすることという意味や、ささめごとと読むと、小声でひそひそする話という意味があるそうです。黙っているべき状態の中で、敢えてこの歌を歌うみたいな気持ちも多少はあるのではないでしょうか?

それはあるかもしれないですね。言わなくてもいいことを、すごく言っているので。言い回しも含め、まだ人が言っていない言葉をいかに残せるか、その痒いところに手が届く瞬間を1つでも多く残したいと思っています。

―ところで、『私語と』の発売日と同じ4月18日に「ex ダーリン」を、バンド・バージョンとして再録したものを配信シングルとしてリリースしようと思ったきっかけは?

これはインディーズ時代からあった曲で、ライブでもよく歌っていたのですが、なかなかバンド・アレンジができなかったんです。何回か試してみるけれど作品として残すほどのクオリティにはならなくて、そういう曲があってもいいかなと思いつつ、10周年のタイミングで、ちょうど10年前にリリースしたデビュー・アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』のボーナス・トラックでもあったこの曲をしっかりとした形でリリースすることには意味があるなと思いました。それでヨルシカのn-buna君にアレンジをお願いしたんですけど、自分達ができなかったところをしっかり掬い取ってくれて、とても嬉しかったです。何よりn-buna君が、クリープハイプはこうだという明確なイメージを持ってくれていたのでアレンジの方向性も明確に見えました。それに、学生時代にその曲を聴いてくれていた人に頼むというのは、クリープハイプらしいと思いました。そこにこだわっていたし、下の世代の人たちと何かやっていくということに興味を持っていて、それが今回すごくうまく行ったし、お願いしてよかったと思っています。

―「ex ダーリン」という曲そのものにはどんな思い入れがありますか?

自分としては普通に作った曲なんですけど、昔からファンの方が強く反応をしてくれているという印象ですね。まだインディーズの頃、先にメジャー・デビューしていた親しいバンドをイベントに呼んだときにこの曲をカバーしてくれたんですけど、ライブを観にきたレコード会社の偉い人に「ああいう曲を作れ」と言われたと落ち込んでいて、いい曲として認知されているんだと思ってうれしかったです。

―さて、メジャー・デビュー10周年を迎えるわけですが、どんな心境ですか?

メジャー・デビューはずっと目標にしていたので、そこからさらに10年やれたというのは、すごくうれしいです。もちろん、まだまだという感じもあります。

―10周年を迎え、どんなことが新たな目標になりましたか?

音楽の聴かれ方がどんどん変わっていく中で活動しているので、それを楽しんでいきたいですね。だから、目標と言うよりは、ずっとそこにしがみついていたいという感じです。

―この4月から5月にかけて「今夜は月が綺麗だよ」という「ex ダーリン」の歌詞をタイトルに冠した全国ホールツアーを開催しますが、それ以降、10周年のアニバーサリーにふさわしいイベントの予定はあるのでしょうか?

ないですね、全然(笑)。

―ファンとしては大きなイベントよりもコンスタントに活動を続けてくれたほうがうれしいですよね。

そうですね。とにかくワンマン・ライブを大事にしたいですね。あと、ツタロックも(笑)。


クリープハイプ
尾崎世界観(Vo/Gt)、小川幸慈(Gt)、長谷川カオナシ(Ba)、小泉拓(Dr)からなる4人組ロックバンド。2012年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。2014年には日本武道館2days 公演を行うなど、シーンを牽引する存在に。2018年の5月11日には約4年ぶりとなる2度目の日本武道館公演「クリープハイプのすべて」を開催。同年、9月に5thオリジナルAL『泣きたくなるほど嬉しい日々に』を発売。2021年12月には約3年3カ月ぶりとなるニューアルバム『夜にしがみついて、朝で溶かして』をリリース。

<INFORMATION>

【楽曲情報】
■楽曲タイトル:ex ダーリン(イーエックスダーリン)
■配信日:2022年4月18日(月)0:00
■配信リンク:https://creephyp.lnk.to/exdarling

■楽曲タイトル:ex ダーリン 弾き語り
■配信日:2022年4月18日(月)0:00
■配信リンク:https://creephyp.lnk.to/exdarling_Acoustic

【書籍情報】
■書 名 :私語と(しごと)
■著 者 :尾崎世界観
■発売日:2022年4月18日(月)
■ISBN :978-4-309-03033-3
■本体:1700円(税込1870円)
■仕 様 :46判変形/上製/280ページ(別丁20P+本⽂260P)
■収録楽曲(全75曲):
ねがいり
リン
イタイイタイ
answer
ヒッカキキズ
NE-TAXI
アンタの日記
イノチミジカシコイセヨオトメ
イエスタデイワンスモア
君の部屋
猫の手
左耳
コンビニララバイ
SHE IS FINE
風にふかれて
欠伸
愛は
グルグル
ウワノソラ
愛の標識
手と手
バイトバイトバイト
ミルクリスピー
身も蓋もない水槽
ABCDC
蜂蜜と風呂場
明日はどっちだ
さっきの話
ラブホテル

おやすみ泣き声、さよなら歌姫
マルコ
社会の窓
傷つける
ハロー
東京日和
喋る
2LDK
ボーイズENDガールズ
大丈夫
百八円の恋
本当
寝癖
二十九、三十
クリープ
カップリング

アイニー
僕は君の答えになりたいな
5%
けだものだもの
テレビサイズ(TV Size 2’30)
誰かが吐いた唾がキラキラ輝いてる
バンド
ただ
君が猫で僕が犬
今今ここに君とあたし

お引っ越し

禁煙
一生のお願い
燃えるごみの日
ゆっくり行こう
料理
ポリコ
四季
愛す
しょうもな
一生に一度愛してるよ
ナイトオンザプラネット
なんか出てきちゃってる
キケンナアソビ
幽霊失格
ex ダーリン

【全国ホールツアー2022 「今夜は月が綺麗だよ」】
4月16日(土)金沢市文化ホール
4月20日(水)ロームシアター京都
4月24日(日)富士市文化センター ロゼシアター
4月28日(木)東京ガーデンシアター
4月30日(土)北九州ソレイユホール
5月01日(日)岡山市民会館
5月08日(日)栃木県総合文化センター
5月13日(金)名古屋日本特殊陶業市民会館フォレストホール
5月17日(火)中野サンプラザホール
5月18日(水)中野サンプラザホール
5月20日(金)東京エレクトロンホール宮城
5月22日(日)北海道カナモトホール(札幌市民ホール)
5月25日(水)大阪フェスティバルホール
5月26日(木)大阪フェスティバルホール

全席指定 6,800円(税込)

●ツアー詳細ページ
https://www.creephyp.com/feature/cp_tour2022

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■公式サイト:
http://www.creephyp.com/
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