三宅純がSOIL&"PIMP"SESSIONSの2人と語った、音楽制作への向かい合い方

『MOMENTS/JUN MIYAKE 三宅純と48人の証言者たち』刊行記念トークイベントに登壇した、三宅純(左)とSOIL&"PIMP"SESSIONSの社長(中)とタブゾンビ(右)

『MOMENTS/JUN MIYAKE 三宅純と48人の証言者たち』刊行記念トークイベントが、代官山蔦屋書店にて2022年2月24日に開催された。

本イベントは、音楽家・三宅純を巡る書籍『MOMENTS / JUN MIYAKE 三宅純と48人の証言者たち』の刊行を記念し行われたもの。登壇者には三宅純のほかに、本書における証言者の1人であるSOIL&“PIMP”SESSIONSのアジテーター・社長と、"日本一の三宅ファン”を自認するトランペッター・タブゾンビをゲストに迎えて行われた。『MOMENTS / JUN MIYAKE 三宅純と48 人の証言者たち』の企画、編集、出版を手掛けた株式会社コラクソーの三浦信が司会を務めたトークイベントをレポートする。

司会の三浦から呼び込まれ登壇した3人。まず、三宅から進行表通りにトークを進めるのはおもしろくないという提案があり、彼が密かに用意していた本書籍制作にまつわるエピソードを読み上げて、その後はフリートークというジャズマン同士ならではの“即興進行”でスタート。

書籍の内容のみならず、ファッションの話からエロティシズム、果ては代官山蔦屋書店内に展示されているトランペットに関する逸話まで、深くてマニアックな話に花が咲いた。

タブゾンビ:三宅さんはトランペットで多くを語らなくても、トータルな世界観で音楽を作ってらっしゃって、アルバムを通し1曲しか吹いてないこともあれば、全く吹かないことすらある。本当に僕の憧れのトランペッターです。トランペッターの作品って、だいたいリスナーもトランペットを吹く人が多いんです。でも、三宅さんの作品はトランペッター以外の人が聴いてる。ここが重要ポイントなんです。

社長:あと三宅さんの音はエロさがあります。転じると、音の中に物語が見えるとも言えます。それは街の風景だったり、場所の移動と時間の移動とが一緒になって頭の中で再現されるような音像だったり、それらが音階や曲調としてすべてが曲の中にあると思うんです。

三宅:うれしいコメントです。本の中で触れたかもしれないけど、音楽って時間を操作できると思うんですよ。過去を未来に貼ったり、未来を過去に貼ったりとかね。本来は未来を過去に貼っても誰が見るんだって話なんだけど。そういう時間の錯覚や、時空が交錯した世界を表現できると思うんです。


Photo by Koh Akazawa

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