トランプの「プーチンは天才」発言、保守系ラジオ番組で前大統領が語った内容

2018年7月16日、首脳会談のためにフィンランドのヘルシンキを訪問したドナルド・トランプ前大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領(Photo by Brendan Smialowski/AFP/Getty Images)

ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部地域の独立を承認したことについて、トランプ前米大統領が「プーチン氏は天才的だ」と称賛。 右派のPodcastでエールを送ると、別の声明では「我が国は完全に自信を失ってしまった!」とバイデン大統領に食ってかかった。

【動画を見る】米報道官「プーチン大統領を称賛する人物の助言には耳を貸さない」と断言

22日に出演したPodcastでトランプ前大統領はこう語った。

「『これぞ天才だ』という言葉が口をついて出た。プーチンはウクライナの……大部分の地域の……独立を宣言した。ああ、見事だ……『なんて賢いのだろう?』。彼はこのまま進み、平和の使い手となるだろう。最強の平和軍だ……我が国の南部国境にもあったらどんなにいいだろうに。私が目にした中で最強の平和軍だ。かつて目にしたことのない数の戦車だった。彼らなら見事に平和を維持するだろう。非常に頭の切れる男だ……私は彼のことがよくわかる。とても、とてもよくわかる」

大方の人々はプーチンによる独立民主国家への侵攻を由々しき事態だと考えていることにようやく思い至ったのか、トランプ氏はすぐに軽率な称賛から態度を変え、自分が再選していたら「こんなことは起こらなかったはずだ」と指摘した。「こんなことは絶対に起こらなかっただろう」とトランプ氏は述べ、バイデン大統領が「なんの対応もしない」のは「非常に残念だ」と付け加えた。

トランプ氏は23日午前に発表した声明でもバイデン大統領に食ってかかり、「我が国は完全に自信を失ってしまった!」と書いた。

果たしてトランプ前大統領の在職中にプーチン大統領がウクライナ侵攻していたかどうかはさておき、前大統領は完全撤退ことこそなかったものの、4年間ずっとNATOを蔑ろにしてきたのは言うまでもない。西側諸国の連帯は軍事侵攻を望むプーチン大統領に対抗するヨーロッパの主要勢力だが、トランプ前大統領はしばしば海外同盟国にいちゃもんをつけては同盟関係を断絶すると脅した。

22日、トランプ前大統領の発言について訊かれたホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、「プーチン大統領や彼の軍事戦略を称賛する人物の助言には耳を貸さないようにしています」と報道陣に答えた。トランプ氏の発言でウクライナ支援が国内政治問題に発展する可能性を懸念しているか、という質問には、「そうした決断は共和党の議員次第です」と述べた。

もちろん、トランプ氏のプーチン擁護はこれまでにもよく知られている。2013年には、独裁主義者がミス・ユニバースのモスクワ大会に出席すれば「親友になれる」かもしれない、と思いを巡らせた。大統領任期中もことあるごとに誉めそやし、ホワイトハウスを去ってからも称賛は続いた。

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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