ワクチン接種は「集団催眠の被害者」 エリック・クラプトンが主張

コロナワクチン=集団催眠説

エリック・クラプトンは、新型コロナワクチン接種を受ける人々を辛辣に批判し、感染力の強いウイルスに感染したり、死亡したりする可能性を下げようとする人々は、「集団催眠」の被害者であると示唆した。

集団催眠(「集団精神病」と呼ばれる場合もある)という言葉は、反ワクチン派の間で輝かしい新語としてもてはやされているが、医学的状態として認知されていないことを忘れてはいけない(某心理学者がロイターに語ったところによると、「集団催眠」は「科学というよりはメタファーであり、事実というよりはイデオロギー」とのこと)。とはいえ、集団催眠という「コンセプト」は、Twitterのアカウントが凍結されたロバート・マローン博士によって世間から注目されるようになった。マローン博士とは、2021年の終わりに配信されたコメディアンのジョー・ローガンのポッドキャストに登場し、人々は催眠術によってワクチンの有効性を信じるようになった、と主張した人物だ(さらに博士は、アメリカのコロナ対策をナチス・ドイツになぞらえた)。

米現地時間1月21日、クラプトンはReal Music Observerのデイヴ・スプーリアとのインタビューの中で集団催眠説の論点/ゴタクを繰り返した。クラプトンの家族や友人たちが彼の反ワクチン姿勢を怖がり、心配していると述べた一方、「私は無知だった。知っていて当然のことを知らなかった。その後、徐々に気づきはじめたんだ(……)集団催眠説は最高だよ。やっと真実に気づいたんだ。一度気づくと、至るところで目にするようになった」と語った。



クラプトンが至るところで目にしたものは、多くの人が言うところの大々的な公衆衛生キャンペーンにすぎない。それは、人々に安全で効果的なワクチン接種を推奨するものだ。だがクラプトンは、「サブリミナル広告のような、YouTubeのちょっとしたもの」をはじめ、あらゆるものの中に催眠術の非道な道具を見出した。さらに彼は「イギリスから発信される新しいものは(……)命令に従ったり、服従を促したりする完全な一方通行の情報だった」と述べた(安全で効果的なワクチンに関するニュース報道だと予測される)。

さらにクラプトンは、公共広告の氾濫について次のように言い添えた。「ジグソーパズルのように、一つひとつのピースをざっくり組み立てていくうちに、私の意志はますます固くなった(……)音楽的にも強いモチベーションを感じた。眠っていた何かが呼び覚まされたんだ。ロックダウンが敷かれる前は、社会活動とは無縁でライブをしてきた。でも、権力者たち——そしてすべての人——に対して本気で腹が立ってきたんだ。でも、私には道具があった。使命があった。だからそれを活かしたいと思った」

実際、クラプトンはこうした道具を活用することができた。ワクチン接種やほかのコロナ対策を批判するために自身のプラットフォームを利用する一方、「Heart of a Child」のように、ワクチンやロックダウンに対する懐疑的な姿勢を控えめとは言えない手法で盛り込んだ楽曲をリリースした(さらに重要な点として、同作はクラプトンと同じワクチン懐疑派のイタリア人建築家、ロビン・モノッティとの共作である)。それだけでなく、昨年12月には「Heart of a Child」よりもあからさまな反ワクチン・反ロックダウン曲、「Stand and Deliver」でヴァン・モリソンとコラボレーションを果たしている。

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From Rolling Stone US.

Translated by Shoko Natori

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