矢沢永吉、ロックシンガーとして不屈の闘志を見せたツアーファイナル

矢沢永吉(Photo by 平野タカシ)

矢沢永吉が2021年12月25日(土)、約2年ぶりとなる全国ツアー「I’m back!! ~ROCKは止まらない~」のツアーファイナルとなる横浜アリーナ公演を行い、2021年を締めくくった。

10月5日(火)、石川県金沢歌劇座を皮切りにツアーをスタートさせ、この日まで全国にロックショーを届けてきた矢沢。2017年のツアー以来4年ぶりとなる日本武道館では4公演を行い、最終日で146回目を記録。自身が持つ単独アーティストとしての武道館最多公演数を更新した。そんな武道館公演を経てのツアーファイナルだけに、会場には開演前から白い上下のスーツとハットでキメたファンが集まり期待に胸躍らせている様子だった。

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会場に入ると、ステージセットのスクリーン上、“WELCOME ROCK’N ROLL SHOW”とギラギラな電飾が観客を迎えていた。時節柄、「永ちゃんコール」も「タオル投げ」も禁止となっているのは残念だが、開演時間が近くなると、客席からは手拍子が自然発生。やがて大きな1つの大きな音になり永ちゃんコールに代わってステージに向けられた。

17時を過ぎた頃、アナウンスととともに観客は総立ちに。画面に2017年からのライブ映像が映し出されて、時計の針が進んでいく。ステージに登場したダンサーたちの動きと共に、時計の針が20から21へと行きそうでいかない、コロナ禍でのもどかしさが表現されていた。ようやく針が21を指すと、炎と共に「I’m back!!」の文字が画面に映し出されて、サングラスをかけた矢沢がバンドメンバーと共に大拍手に迎えられてゆっくりとステージへ上がった。オープニングを飾ったのは、「ラスト・シーン」。力強いサウンドに乗せて情感を込めて歌う、まさに矢沢永吉ならではの大人のロッカバラードだ。観客はドラムのビートに合わせて手拍子で一体となっている。客席からのエネルギーがステージにも勝るとも劣らない迫力で圧倒された。エモーショナルなギターのメインフレーズがエンディングへと向かうと、「長い黒髪」ではハンドマイクでステージの左右を歩きながら歌い、身を乗り出してファンの近くで歌う姿が印象的だった。

Rolling Stone Japan 編集部

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