マルコムX氏の娘マリカ・シャバーズ氏が56歳で死去 米

Andrew Theodorakis/New York Daily News/Tribune News Service/Getty Images

晩年の公民権運動の指導者マルコムX氏の娘、マリカ・シャバーズ氏が2021年11月22日、ブルックリンの自宅で亡くなっているのが見つかったとWNBCが伝えた。56歳だった。

警察によると、シャバーズ氏は意識不明の状態で自宅に横たわっているのを娘により発見された。監察医の報告では彼女の死に不審な点は見つからず、事件性はないとのこと。死因はまだ明らかになっていない。

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シャバーズ氏と彼女の双子の姉妹マラーク氏は、マルコムX氏と妻のベティ・シャバーズ氏の6人の子供たちの中では一番若かった。ベティ・シャバーズ氏は1997年に亡くなっている。

キング牧師の娘バーニス・キング氏はこの知らせに対しTwitterで「マリカ・シャバーズが亡くなったと聞いてとても悲しい気持ちになっています。ベティ・シャバーズ博士とマルコムX氏の子供たち、家族のことを思うととても心が痛みます。シャバーズ博士は、マリカと双子の姉妹マラークを、マルコムが暗殺されたときに身籠っていました。マリカ、安らかに眠ってください」とコメントした。

つい先日、マルコムX氏の暗殺事件に新たな展開が巻き起こる中での出来事だった。マルコムX氏暗殺の実行犯とされていた2人の男性、ムハンマド・アジーズ氏と、ハリル・イスラム氏の有罪判決が取り消されたのだ。アジーズ氏とイスラム氏は両者とも終身刑を言い渡され、無罪を主張していたが、20年以上を収監されて過ごした。現在83歳のアジーズ氏は1983年に仮釈放、イスラム氏は1987年に仮釈放された後2009年に亡くなっていた。第三の実行犯とされたムジャヒド・アブドゥル・ハリーム氏も殺人の容疑で終身刑を言い渡されている。

暗殺の現場にはアジーズ氏とイスラム氏の犯行につながるような物的証拠は見つかっていなかった。当時の法廷ではハリーム氏が自らの犯行を告白し、2人は関わっていないことも主張していた。

ハリーム氏は、自身の共犯者が、イスラム氏とアジーズ氏がハーレムにあるネイション・オブ・イスラムのモスクの集会に参加している最中にニュージャージーからやってきたと語ったが、疑わしい人物は誰も逮捕されなかった。ハリーム氏は2010年に仮釈放されている。

マルコムX氏は1965年の2月21日に暗殺された。ニューヨークのオードゥボン舞踊場で演説を終えた直後のことだった。

From:Malikah Shabazz, Daughter of Malcolm X, Dead at 56

Translated by Kazuhiro Ouchi

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