トニー・アイオミ、ブラック・サバス『13』以来の新曲を発表

ブラック・サバス『13』以来の新曲を発表したトニー・アイオミ

ブラック・サバスのアルバム『13』以来となるトニー・アイオミによる“厳粛な”ロックソング「Scent of Dark」が発表された。この新曲は、高級香水ブランドXerjoff(セルヨッフ)とのコラボによる、アイオミのシグネチャー・コロンと同時にリリースされた。

トニー・アイオミは、昔からのブラック・サバス・ファンがどうリアクションするかを承知の上で、高級香水とのコラボレーションによるシグネチャー・モデルの開発を引き受けた。「アイオミは頭がおかしくなっちまったと思われるだろう」と彼は笑う。「俺の人生で最も縁のない類のものだったからな。でも、やってみて良かったよ」とアイオミは、英国の自宅からの電話インタビューに答えた。

世界中が新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンを余儀なくされた2020年、アイオミはイタリアの香水メーカーであるセルヨッフの創業者兼クリエイティブ・マネージャーのセルジオ・モモと知り合った。モモはアイオミに、あるチャリティーソングでギターを弾いてくれるよう要請した。残念ながら実現しなかったものの、検討してくれた御礼としてアイオミには香水のセットが贈られた。アイオミからの感謝を伝える電話に対してモモは、「アイオミ・オリジナルの香水を作る気はないか?」と提案した。アイオミは「意外な提案に衝撃を受けた」という。「俺がリストアップした好みの香りをベースに、彼が香水を作り上げた」とアイオミは証言する。そして数か月後、アイオミは新しい香りのする新曲を作り出した。

「セルジオは音楽ファンで、ギターも弾く」とアイオミは言う。「“香水に合わせた曲を作らないか”という彼の提案に乗って、曲を作った。俺は、ボーカル抜きのインストゥルメンタル曲の方がいいと考えた。曲のベースとなるアイディアを弾いて聴かせると、彼も気に入ってくれた。最終的にいくつかのパートを加えて、仕上げたのさ。」

2人がレコーディングした「Scent of Dark」は、2017年にバーミンガム大聖堂のために書き下ろしたクラシカルな楽曲「How Good It Is」以来となるアイオミ作品だった。さらにロックソングとなると、2013年にリリースしたブラック・サバスのアルバム『13』以来だ。「Scent of Dark」は、霧の立ち込めた神秘的なイントロから始まり、ヘヴィーで威厳に満ちたギターリフ、そしてもちろんブルージーでリリカルなギターソロまで、どこを切ってもアイオミらしさに溢れた曲だと言える。さらにオーケストラのストリングスが、いつも以上にドラマチックな展開を演出する。モモはギターのトニー・アイオミ・モデルを手に最初のギターソロを弾き、ジミー・クラッチリー(アイオミとモモを引き合わせた人物)がベースを担当した。ドラムはアッシュ・シーハンで、プロデューサーのマイク・エクセターがキーボードを弾いている。さらにチェロのレベッカ・ローズとバイオリンのジュリアン・ボーンも加わった。新作コロンのイメージをフィーチャーしたミュージックビデオは、英国グロスターシャー近くにあるスードリー城で撮影された。

「まずいことに、外での撮影中に観光客に目撃されちまった」とアイオミは振り返る。「城の見学をしていた人々に“ああ、彼はいったい何をしているんだ?”という感じで見られたのさ」と振り返ったアイオミは、彼の音楽に関する将来的なプランも語ってくれた。

Translated by Smokva Tokyo

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