「キング・クリムゾン最後の来日公演になるだろう」トニー・レヴィンが語るバンドの現在地

キング・クリムゾン、右から2人目がトニー・レヴィン(Photo by Dean Stockings)

キング・クリムゾンの来日ツアー「MUSIC IS OUR FRIEND JAPAN 2021」が、11月27日〜12月8日にかけて東京・名古屋・大阪5会場にて開催される。バンド一行はすでに日本到着。ベーシストのトニー・レヴィンは自身の日記で、ホテルで隔離生活を行なっていること、移動中の飛行機で俳句を詠んだことなどを綴っている。ツアーを間近に控える彼に、バンドの現状と未来、大きな影響を受けたエメット・チャップマンの功績について語ってもらった。


—まずは、今回の日本ツアーを実現してくださり本当にありがとうございます。日本では、2020年3月以降は殆ど海外アーティストの公演が実現しておらず、SUPERSONIC 2021など少数のフェスが開催されるのみで、予定されていた単独公演も延期を繰り返すか中止になるものばかりでした。従って、今回のキング・クリムゾン日本ツアーは、コロナウイルス蔓延以後の日本においては、あらゆる音楽ジャンルにおいて実質的に最初の単独公演ツアーとなります。今回のツアー企画が実現した経緯、延期せず実行するという判断に至った経緯などを教えていただけますでしょうか。

トニー:バンドにとって日本でプレイすることは重要なんだ。数年おきにしかプレイするチャンスがないし、実際いつも何かしらの問題があって簡単には実現できないからね。だがもちろん、今年は例年以上に大変だった。我々のマネージメントチームや日本側のプロモーターが頑張って手筈を整え、新たな規制をすべてクリアしてくれた。万事上手くいってここまで来れたのがうれしいよ。日本でショウができるのが楽しみだ。



—「MUSIC IS OUR FRIEND」というツアータイトルはどんな意図のもと決定されたのでしょうか。

トニー:はは、残念だが僕にもわからないんだ! 時にバンドというのはそういうものなんだ……ツアーでどこを回るのか、どのぐらいの期間回るのか、必ずしもメンバー全員が知っているわけじゃない。ツアータイトルに込められた理由もね!

—直近のアメリカツアーについて、「これは最後のアメリカツアーになる可能性が高い」という話が広まっていますが、これは本当なのでしょうか。また、日本のツアーも今回が最後になるのでしょうか。

トニー:その通り、今年はバンドにとって歴史的な1年になる。今回の日本公演も僕らにとって歴史的なものになるだろう。先ごろ行われた全米公演は最後の全米ツアーという触れ込みだったし、ロバート・フリップも今回のツアー全行程を「日本で幕を閉じる」と説明していた。だからこれがクリムゾン最後の日本公演になるだろう。僕個人はバンドで最初に来日したのが1981年で、それ以来何度も来日しているが、ひとつの節目を迎えることになる。いつもバンドを温かく迎えてもらったし、いろいろな意味でとても楽しかったよ。 

Translated by Akiko Kato

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