ABBA復活記念、究極の名曲トップ25

20位 「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight) 」(1979年)

ABBAのナイトライフのダークサイド。不気味な電子音のストリングスが、ストックホルムにある営業時間外のバーでの卑猥な情景を思わせる。本作のデス・ディスコ・サウンドは、ザ・レザー・ナンをはじめとする80年代のヨーロッパのダンス・ミュージックに影響を与えた。「F.F.A.」で有名なレザー・ナンによる1986年のカバーバージョンは、怪しげなアンダーグラウンド・クラブ曲になった。また、マドンナは2006年の大ヒット曲「Hung Up」に本作のシンセのフックをサンプリングし、退廃的なオリジナルのノリを再現した。



19位 「Dum Dum Diddle」(1976年)

ABBAのお得意な三角関係をテーマにした曲。シャイな女の子がある男の子を好きになるが、彼は恋愛よりもバイオリンに夢中になっている(“あなたは寂しげ/でも笑顔になるのは/バイオリンを弾いている時だけ”)。彼女はバイオリンを押しのけて、彼のハートを掴めるだろうか。それとも“ダム・ダム・ディドル/あなたの愛しのフィドル”と歌い続けるしかないだろうか。ABBAの歌う傷つきやすい魅力は、70年代に青春時代を過ごしたカート・コバーンらを虜にした。カートが、ABBAのトリビュートバンドであるビヨルン・アゲインを、ニルヴァーナのオープニング・アクトとして招いたのは有名な話だ。



18位 「One of Us」(1981年)

1977年、ABBAのマネージャーだったスティグ・アンダーソンがローリングストーン誌に明かしたところによると、彼はかつてスウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンに対して、なぜスウェーデンのポップ曲を自身の映画作品に採用しないのか尋ねた。「彼は何も答えなかった。しかし彼の次作のタイトルは、“沈黙”だった」という。残念ながらイングマールとアグネタのコラボレーションは実現しなかったものの、「One of Us」はABBA作品の中で最もベルイマン風のメロドラマだと言える。エイス・オブ・ベイスばりの明るいトロピカル・ビートに乗せた『ある結婚の風景』(ベルイマン監督のテレビ番組)のようだ。偶然ではないが、「One of Us」は2組のカップルの離婚後初のシングルだった。シェールは自分にとってパーフェクトな楽曲だとして、ABBAのカバーアルバムで本作を取り上げた。



17位 「King Kong Song」(邦題:キング・コングの歌、1974年)

ギターのパワーコードを駆使したグラムロック調の楽曲で、“キング・コングの曲を歌おう/あいつが打ち鳴らす音が聞こえるか”と歌う。英国チャートを席巻したスレイドやスウィートらの大ヒット作に通ずるものがあるが、ABBAは常にABBAらしいやり方を貫いた。“私たちが歌うのはファンキー風の曲”と歌う彼らは、“〜風”(kinda)の定義をどこまでも拡げた。



16位 「Money, Money, Money」(1976年)

ビヨルンのキャリアは、スウェーデンの純フォークグループ「フーテナニー・シンガーズ」から始まった。「史上最悪のグループ名だ」とビヨルンはかつて語っている。しかし「酷い名前だったが、ABBAには負ける」と付け加えた。中央ヨーロッパのシュラーガー・ミュージックを思わせる「Money, Money, Money」は米国人にとって、新鮮でエキゾチックに聴こえたに違いない。ABBAはシュラーガー・スタイルで盛り上げつつも、虎視眈々と「リッチな世界」を狙う。ボルボに次ぐスウェーデンからの輸出額を誇るグループに、相応しいテーマだ。マンマ・ミーアの周辺では現金が全てを支配する。


Translated by Smokva Tokyo

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