ABBA復活記念、究極の名曲トップ25

25位 「Super Trouper」(1980年)

前髪を垂らしたのがビヨルンで、髭をたくわえたのがベニー。ブルーネットがアンニ=フリードで、ブロンドがアグネタだ。ビヨルンとベニーが書き、アンニ=フリードとアグネタが歌の大部分を担当したヒット作。元々はビヨルンとアグネタ、ベニーとアンニ=フリードがそれぞれ夫婦だった。破局した2組が心の内をぶちまけた、涙を誘うメロディアスな楽曲。“ただ歌って食べて寝るだけの生活/これが最後のステージならいいのに”と歌う、ツアー続きの孤独な生活に疲れたディーバのバラードだ。しかしステージ上ではスターらしく振る舞い、ファンの前では痛みを見せられない。華麗な仮面の下には、中年期の悩みがあった。ABBAの全ての物語が詰まっている。



24位 「Disillusion」(1973年)

デビューアルバムに、“幻滅”などというタイトルの曲を収録するアーティストが他にいるだろうか? ABBAはどんなに陰気なグループだろう、と誰もが思ったに違いない。アグネタが作詞・作曲にクレジットされた最初で最後の楽曲。彼女はこの時すでに、将来訪れる失意の時を予感していたようだ。



23位 「Under Attack」(1982年)

80年代に入り、ABBAは空中分解寸前で、音楽も明らかに減退していた。1982年の終わりにリリースされた本シングルは、彼らの最後の砦。ベスト盤『The Singles: The First Ten Years』向けに、ABBAの最後の作品としてレコーディングした。メンバーは、自分たちに次の10年はないと悟っていた。離婚を経験して売り上げも低迷する中で作られた楽曲。恋人の幻影に追い回される様子を、ヴォコーダーによる気味の悪いコーラスで表現した、幻影的で寒々しいシンセポップ。



22位 「Hole in Your Soul」(1977年)

シンセサイザーとギターが炸裂するプロト・インダストリアル・ミュージックで、“心の穴を埋めるロックンロール!”と繰り返すノリのよいコーラスが印象的。(あり得ないが)若きトレント・レズナーが参考にしていそうな曲。その名も『The Album』というアートロックのアルバム(1972年)に収録された隠れた名曲で、まるで『Pretty Hate Machine』(訳註:ナイン・インチ・ネイルズのデビューアルバム)ばりにゴリゴリのロックだ。



21位 「When I Kissed the Teacher」(1976年)

ABBAの作品には、疎外感(「Sitting in a Palmtree」)や苦悩(「Tropical Loveland」)、全人類滅亡に対する病的な恐怖(「Happy New Year」)に満ちている。ところが本曲では、スウェーデンの学校制度に挑戦。セクシーな幾何学の先生への想いを抑えきれない女子生徒の気持ちを歌った、無邪気なバブルガム・ミュージックだ。70年代とは奔放な時代だった。


Translated by Smokva Tokyo

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