安田レイが語る、大切な「あなた」を歌うことで辿り着いた自己肯定

─最後の「Brand New Day feat. H ZETTRIO-From THE FIRST TAKE」は、動画ではめちゃくちゃ楽しそうに歌っていましたね。



楽しかったです! 「これを“ゾーン”っていうのかな?」って初めて思いました。未知の領域を見た気がしますね。レコーディングだけどライブで、ライブだけどレコーディングで……みたいな感じで、ライブだったらみんな同じステージの上にいるからアイコンタクトもできますけど、各々ちょっと離れたブースに入っていたので、みんなの動きも見えないし、不安はありました。でもいざ始まってみたら、ヘッドフォンを通して音からみんなの姿や動きが感じられて、どんどん大きな安心感に包まれていくんですよね。「大丈夫だ、最後までたどり着けるぞ」っていう気持ちになって、まさにin the zoneって感覚でした。何のミスもなく、ピッチも安定してラストまで歌いきれたのは本当に奇跡だなって思います。もう1回やったら絶対にボロボロですね。

─本当ですか? そういうものなのかな。

1回しかできないからこそできるんだと思います。もしTHE FIRST TAKEが実はファーストテイクじゃなかったら、たぶんみんなあそこまでのパフォーマンスはできないんだろうなって、自分がやってみてわかりました。通常のレコーディングは何回も何回も録って、だんだん温まってくるものだし、パンチインとかもしますけど、それが一切ない状態であそこまでできるのは、みんなの技術とか集中力とか、いろんな気持ちが凝縮した瞬間だったんだと思います。

─練習はかなりされたんでしょうか?

それがリハは1、2回しか合わせてないんですよ。ちょっとアレンジの話をして、BPMも決めて、当日も撮影の前にワンコーラスぐらいサウンドチェックしただけです。

─それだけ? しかもブースは離れていたんですよね。

そう。だからすごすぎるんですよ、H ZETTRIOのみなさんが。初めて一緒にやらせていただいたんですけど、わたしはただ体をゆだねてる感じで、みんなが導いてくれたっていう感じでした。個人的にはオチサビがすごく気に入ってますね。いきなりちょっとフリーテンポみたいなムーディな感じになって、そこからまたビートが入って華やかな雰囲気が出て。いろんな感情の波があって、歌っててすごく楽しかったです。

─ライブにカバーに、新曲2曲もそれぞれタイプが違いつつ安田さんのユニークさが伝わる出来で、とてもバランスのいい4曲なんじゃないかなと思いました。最近、安田さんのことを知ったファンとも、新たにリボンを結べるEPなんじゃないでしょうか。

ありがとうございます! いや~、めっちゃほめていただいて(笑)。

Rolling Stone Japan 編集部

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