安田レイが語る、大切な「あなた」を歌うことで辿り着いた自己肯定

─そういうディスカッションをJQさんともされたんですね。

いっぱい話し合いました。制作1日目はほとんどしゃべって終わっちゃって、「間に合わないんじゃないか?」ってちょっと心配になったぐらい。でも、その会話があったからこそ、2日目から集中することができました。JQさんはすごくミステリアスな人ですけど、それでもいろんな部分をたくさん知れたのはよかったですね。JQさん、チルチルタイムが好きなんですよ(笑)。

─チルチルタイム?

「ちょっとチルってくるわ」って言ってスタジオのベランダに出て日光浴したり、少しギターを弾いたりして、またスタジオに戻ってくるみたいな。たまにわたしも「スタジオにこもってても言葉が出てこないです〜」って言うと「じゃあ外で考えようか」って言ってくれて、歌詞を外で書いてみたりとか。

─「It’s you」の「you」はJQさんでもあり、ファンの方たちやスタッフ、ご家族にお友達など、これまで出会ってきた人たちみんなに当てはまるわけですね。

はい。昔は捨てたかった記憶も今は大事だって思えるし、「あなたがいるから今こうして立ててるよ」っていう感謝の気持ちというか、「あなた」がどれだけわたしにとって大切かということをひたすら歌ってる1曲です。

─あなたとの出会い、あなたの思い出がわたしの一部分を作っている、というふうに考えると、これは自己肯定ソングなのかも?

そうなんですよ! 一周回って自己肯定に戻ってくるんですよね。

─感動の大団円でした。表面的な部分で1つだけ。日本語で歌っている箇所と英語で歌っている箇所がときどき逆に聞こえるというか、どっちが日本語でどっちが英語なのかわからなくなるのが面白いと思いました。

最初わたし、1行日本語、1行英語、みたいな感じで書いてたんですよ。でもJQさんに「もっとインターナショナルスクールに通ってるティーンネイジャーが友達としゃべるチャンポントークっぽくさ、“I know! 本当にいいのよね!”みたいな、日本語と英語がナチュラルに絡み合う感じがよくない?」って言われて、「あ、確かに。むかし友達とそうやってしゃべってたわ」と思い出してこの形にたどり着いたんですよ。JQさんの曲も日本語と英語が混ざり合って、日本語だけでは表せない、英語だけでも表せない、ミックスならではのニュアンスがあるじゃないですか。わたしもやってみたかったけどやり方がわからなかったので、JQさんからたくさんヒントをいただいて、組み立てていけました。

Rolling Stone Japan 編集部

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