米共和党議員、極右集団メンバーの疑いが浮上

「州内最大級の品揃えを誇る銃器店」のオーナー兼政治家も

アリゾナ州の政治家ではもう1人、ピナル郡行政官を務めるジェフ・サーディ氏の名前もリークされたデータベースに登場する。サーディ氏はローリングストーン誌に宛てたメールの中で、10年以上前にオース・キーパーズに入会して年会費を支払ったことを認めた。本人によれば同グループに関心を抱いたのはハリケーン・カトリーナの後、一部のニューオリンズ市民が地元警察から銃を押収された時だったそうだ。彼はオース・キーパーズの集会には一度も出席したことはないと強調したが、「理屈の上では、憲法支持を誓った者は誰もが事実上オース・キーパーズの一員です」と付け加えた。サーディ氏は最近のオース・キーパーズの活動からは距離を置き、創設者のスチュワート・ローズ氏が「当初の趣旨とは相いれない方向に」グループを導いていると非難した。ちなみにサーディ氏は公職とは別に、本人いわく「州内最大級の品揃えを誇る銃器店」のオーナーでもある。

名誉毀損防止連盟が運営するプロジェクト、Center on Extremismの調査研究員を務めるアレックス・フィードフェルド氏は長年にわたって民兵グループを研究している。オース・キーパーズの勢力は主に銃を持つ人間、つまり警察当局の人間を採用することに由来する、と彼は言う。「ですが、現職または引退した公職者のオース・キーパーズメンバーも徐々に増えています」。フィードフェルド氏も指摘するように、政府の人間が反政府過激派グループに入会するとはいささか皮肉だ。オース・キーパーズに参加することは違法ではないものの、「とても気がかりです」とフィードフェルド氏は言う。さらに政治家に関して言えば、「彼らは過激な施行に沿うような法律の制定に一枚噛んでいます。実際に一般市民の生活にも影響が及んでいます」

ジェンセン議員は近年も政治的姿勢を緩めていないようだ。マスク着用義務などのコロナウイルス公衆衛生対策を公然と非難し、最近では連邦当局に異を唱え、「職場でのワクチンや検査の義務化を全国規模で施行しようとするバイデン政権の試みを一切無効とすることを求める」決議案にも署名した。

議員は2月にはラピッドシティ・ジャーナル紙の論説で、オース・キーパーズのイデオロギーから拝借した主張を展開した。「我々は今、建国の礎となった憲法上の権利が安全の名のもとに脇へ押しやられている時代を迎えた」と、彼は警告する。「不可譲の権利を蔑ろにする決議・法令・命令が、発布・可決・施行されている」。ジェンセン議員は「法律で無理やり我々を従わせようとする強制や弾圧」にも激しく抗議した。

ジェンセン議員のWEBサイトは一風変わっている。PhilJensenSD.comには、メーリングリストへの参加を求める他はほとんど何も情報がない。サイトの紹介文は「ソーシャルメディアでの尋常ならぬ検閲」と「未曾有のキャンセルカルチャー」を非難した後、「私の口から直接皆さんに、毎週メールで真実を語ることが極めて重要です」と続く。

「皆さんを政府内部にご案内し、真実をお届けしたいのです」とジェンセン議員。「メディアや政党上層部の手が加わっていない真実を……自由が危機にさらされています」と警告し、「自由から自由が奪われているのです」

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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