米共和党議員、極右集団メンバーの疑いが浮上

Phil Jensen SD Representative District 33/Facebook

長年フィル・ジェンセン氏は何かと騒動を起こしてきた。米サウスダコタ州の上院議員だった2014年には法案SB128号を提出。これは州内の企業に性的嗜好に基づいた顧客の選別や従業員の解雇を認めることで、LGBTQ差別にGOサインを出すような法案だった。

【画像を見る】“公開処刑”を求めて大暴れする極右集団

しかし法案は通らなかった。ジェンセン氏はラピッドシティ・ジャーナル紙とのインタビューで、この法案が「言論の自由と私有財産権」を守るためのものだと力説。差別に対抗するためには自由市場を拠り所にするべきだ、との主張を繰り返した。「仮にKKKのメンバーが小さなパン屋を運営していたとしましょう。我々の大多数は、その人が黒人客への接客を拒否するなどとんでもない、と思うでしょう。それにですよ? 誰もその店で買わなくなるので、その店は数週間かそこらで廃業するでしょう」(この発言に当時州知事だった共和党のデニス・ドーガード氏は反論し、「彼の発言はサウスダコタ州の価値観から完全に逸脱していると思います」と述べた)

この騒動を受け、ラピッドシティの地元紙はジェンセン議員を「サウスダコタでもっとも保守的な政治家」という見出しを掲載した。そして同じ年、ジェンセン議員は政治家としての履歴書に「オース・キーパーズ(Oath Keepers)の会員」という新たな肩書を加えたとみられる。

オース・キーパーズとは連邦政府の権威に対抗する過激派民兵グループだ。メンバーは陰謀論的な思考に従った10項目に誓いを立て、迫り来る政府の圧政に立ち向かうよう求められる。これら10項目の誓いは「1. 我々はアメリカ国民から武器を奪ういかなる命令にも従わない」というような、かなり他愛もないものから始まるが、やがて現実から逸れていく。例えば6番目の誓いは、「我々はアメリカの都市を封鎖し、これらの都市を巨大強制収容所に変えるようないかなる命令にも従わない」というものだ。メンバーは暴動が起きると、しばしば武装自警団として姿を現す。なかでも顕著なのが2014年ネバダ州で起きたバンディ牧場立てこもり事件と、ミズーリ州ファーガソンで起きた暴動だ。1月6日のアメリカ連邦議会襲撃では、同グループのメンバー数十人が事件に関与したとして起訴されている。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE