米航空会社のパイロットがワクチン義務化に反対、「接種か退職か」強要されたと主張

勤務先のアメリカン航空はノーコメント

Cell SauceのTikTokページで公開されているムービーの大半はモトクロス関連か、ウォーカーによる栄養についてのアドバイス動画だ。彼はパイロットという立場を生かして商品を宣伝しており、7月に公開されている動画ではアメリカン航空のラニヤードを身につけた彼が、飛行機のコクピット内でプロバイオティクスの必要性について語っている。

本誌がアメリカン航空にコメントを求めたところ、同社のCEOが従業員に宛てたワクチン接種を義務付ける旨を記載した10月1日付のレターへのリンクが送られてきた。CEOのダグ・パーカーは同社が詳細について協議を進めているとした上で、そのレターで次のように述べている。「ワクチンの接種を拒否する者は、今後アメリカン航空で勤務することができないことは間違いありません」。同社はウォーカーについてコメントすることを拒否し、彼が現在も同社でパイロットとして勤務しているかどうかについても明らかにしなかった。

ウォーカーはCell Sauce以外のビジネスも運営しているようだ。Facebook、LinkedIn、そしてTwitterのアカウントで、彼はスキルを著作権で保護するCopySkillzという事業を宣伝している。またLinkedInのアカウントでは、彼はRisingMarketers.comのCEOとしてクレジットされている。しかしそのWEBサイトは機能しておらず、CopySkillzの各リンクも無効となっている。いずれにせよ、ウォーカーが成功報酬型広告とその他の胡散臭いオンラインビジネスにどっぷり浸かっていることは確かだ。2014年、彼はFacebookでVimeoから動画の投稿をブロックされたことを明かしており、Vimeo側はその理由について「マルチ商法、成功報酬型広告、短期間で裕福になるためのスキーム、マネーコーチング、金銭のやり取り、内職、およびその他のベンチャーに関する動画を投稿したため」としているという(現在の雇用状況およびその他の事業に関する本誌からの質問に対し、入稿日の時点でウォーカーからの回答はなかった)。

ウォーカーの動画が急速に拡散されたのは、ワクチン接種の義務化に反対するパイロットたちが一斉に退職するという話を、反ワクチン派の人々が広めようとしている時だった。例えば10日の夜、サウスウエスト航空が「運営上の深刻な事態」を理由に全体の4分の1以上のフライトをキャンセルすると発表した際に、保守派の人々の間ではワクチン接種義務化に反対するパイロットたちによる病欠ストライキ、あるいは有給病欠という名目での自宅待機がその理由だという噂が広まった。

Translated by Masaaki Yoshida

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