『風街とデラシネ』松本隆の作詞家50年を名曲の詞とともに振り返る

夏色のおもいで / チューリップ

1973年10月に発売になりました、チューリップの「夏色のおもいで」。7月に発売になったトリビュートアルバム『風街に連れてって!』ではいきものがかりの吉岡聖恵さんがみずみずしい歌として再生してましたね。亀田誠治さんのアレンジも素晴らしかったです。この「夏色のおもいで」はチューリップの大ヒット「心の旅」の次の曲。「心の旅」は、もしこれが売れなかったら、俺たちは福岡に帰ると決めた最後の覚悟のシングルで、これが売れて。次のシングルをどうするんだという、スタッフもレコード会社も含めて、「さあどうする?」となった時に他の人に書いてもらおうということで、松本さんに話が来た。チューリップのシングルで唯一、外部の作詞家が書いているので、チューリップはこの曲を当時ライブで歌わなかった。松本さんは「財津さんには今でも申し訳ないことをしたと思っている」というふうに話をしておりました。この「夏色のおもいで」を評価していたのが、筒美京平さんでありました。

次は1974年3月発売、あがた森魚さんのアルバム『噫無情(レ・ミゼラブル)』から、「組曲「噫無常」嘆きの舞姫~イカリの水夫」のメドレー。松本さんは前半の詞を書いて、後半はあがた森魚さんの詞であります。

Rolling Stone Japan 編集部

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