テキサス州、中絶禁止法が一時差し止めへ

女性の性と出産に関わる医療サービスを提供、調査する非営利組織のプランド・ペアレントフッドは、差し止めの決断を賞賛する声明を発表した。組織の代表でCEOのマクギル・ジョンソン氏は「この1ヶ月間テキサス州では、憲法に反する法律により、中絶を選ぶ権利が迫害されていました。私たちは同法律を差し止める決断を待ち望んでおり、これを実現した司法省の迅速な対応に感謝しています。私たちの戦いはいまだ終わりからは程遠いと言わざるを得ませんが、その一方で、テキサス州において中絶という選択肢を提供する医療関係者らが可能な限り速やかにその業務を再開できることに期待しています」と述べた。

ある年、テキサス州では年間約53000人の住民が中絶を希望したという資料がある。この統計によれば、同州で中絶禁止法が施行されていたわずか1ヶ月間で、数千人もの住民が大きなコストを支払って州外へ行ったり、望まぬ出産を余儀なくされた可能性がある。

また、この1ヶ月間で少なくとも3人が10000ドル目当ての訴訟を起こしている。この3人のうち2人は脱税やハラスメントで資格を剥奪された元弁護士、1人は中絶禁止の活動家で、過去に中絶を行なった診療所を爆破しようと試み収監されていた。

中絶禁止法が一時差し止めされたとはいえ、どれだけの病院や診療所が再び中絶に関わる医療行為を抵抗なく再開するかはまだ定かではない。同法のもと初めて訴訟を起こされたアラン・ブレイド医師や、テキサス州の中絶を提供する医療機関を代表し、センター・フォー・リプロダクティブライツ(リプロダクティブライツを推進する営利団体)は、「中絶禁止法が完全に撤廃されるまで、遡及的な訴訟を起こされる脅威がなくなったわけではありませんが、可能な限り速やかに、中絶の提供を再開できるよう願っています」「この法律の残酷さはとどまることを知りません」と述べている。

From:Texas Abortion Ban Halted — For Now

Translated by Kazuhiro Ouchi

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE