BREIMENの高木祥太が語る、私小説的な歌の世界と音楽ルーツ

Rolling Stone Japan vol.16 掲載/Coffee & Cigarettes 30| 高木祥太 BREIMEN(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。著名人やアーティストから注目を集めるミクスチャーファンクバンド、BREIMEN。中心人物の高木祥太が表現する私小説的な歌詞の世界、ソウルやファンクなどの音楽ルーツ。2ndアルバム『Play time isn’t over』に深く刻まれたパーソナリティを探る。

Coffee & Cigarettes 30 | 高木祥太

CHARAやTempalay、TENDREなどのサポート・ベーシストを務める高木祥太を中心に結成された、5人組バンドBREIMEN。他のメンバーたちも、eill、フィロソフィーのダンスなど、様々なアーティストのサポート・アクトとして引っ張りだこの「セッション・ミュージシャン集団」ともいえる彼らは今、多くの著名人やアーティストから熱い支持を集める注目の存在だ。

今年5月にリリースされた2ndアルバム『Play time isn’t over』では、高木のルーツであるソウルやファンクはもちろん、ロックやエレクトロ、ディズニー音楽などあらゆるジャンルを取り込みながら、カテゴライズ不能なサウンドスケープを展開。いっぽう高木の書く歌詞世界は、長引くコロナ禍によって疲弊した世界に対し「こんな時だからこそ、クリエイティブを忘れずに生きていれば、きっと自分自身を癒すことができる」と歌う表題曲をはじめ、自身の実体験に基づくドキュメンタリー的な内容になっている。

「僕はこれまでサッカーと音楽しかやってこなくて。ある意味それがコンプレックスでもあるんですよね。映画や本などに深くのめり込んだことがないから、歌詞も自分の中にあるものや、自分の身の回りの人とかから広げたり、そのまま歌ったりしている感じなんです。例えば僕は今、共同生活を営んでいるんですけど、『赤裸々』という曲はまさにそこで起きた出来事……ソリの合わない2人が夜通し語り合っていたことをモチーフにしているんです。前作『TITY』では、お付き合いなどさせていただいたり、させていただかなかったりした女性のことを歌ったりしますし(笑)、確かに友人にも『お前の曲はドキュメンタリー映画を見ているようだ』と言われたことはありますね」



RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE