『マスクド・シンガー』制作者が手がける新オーディション番組、売りは「拡張現実」

『Alter Ego』優勝者の行く末は?

『Alter Ego』の放送が終了すれば、「4人の審査員が段階ごとにアーティストを指導し、最初のレコード・リリースに手を貸すことになります」と、エグゼクティブ・プロデューサーのマティルダ・ゾルトスキーは言う。その後の具体的な展開について尋ねると、審査員から出てきたアイデアなのでFOX側も「まだはっきりわからない」とゾルトスキーは答えた。「可能性や選択肢は無限にあります。今までにない試みですから、今後どう進めていくか、いまだ検討中です」

今回の記事で、テクノロジーに精通した審査員の1人のグライムスからはコメント取材を断られたが、ウィル・アイ・アムは『Alter Egos』を見た後、メタヴァース・レベルのタレント発掘の可能性や、勝敗に関わらず番組終了後も各アバターとどう共演していくかについて興味津々だ、とローリングストーン誌に語った。この先数カ月、回が進むにつれて具体的な考えをどうまとめていこうかと「考えを巡らせている」そうだ。

専門家がツアーの未来を推し量り、テクノロジー通がいまだあやふやな分野を切り開こうとする中、ソーシャルメディアや新たなストリーミングオプション、バーチャルコンサート用プラットフォームやゲーム内での出演チャンスといったものは、TV番組の優勝者を一人前のアーティストにするだけの十分な魅力を提供できるだろうか? それが真の挑戦だ。

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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