性的暴行罪で収監中のワインスタイン被告「まるで独房のよう」 取り消された告訴を検察側が再提出

ハーヴェイ・ワインスタイン被告(Photo by Etienne Laurent/Pool Photo/AP)

現地時間20日、すでに強姦罪で有罪判決を受けている米ハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン被告が、カリフォルニア州の刑事訴訟で再提起された内容にあらためて無罪を主張した。この日検察側は時効を理由に不起訴処分となった案件、いわゆる「過去の悪行」を今後の裁判で証拠として採用するよう申し立てた。

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起訴内容は、訴訟の対象となる被害者5人のうち1人が関与する1件のみで、7月にすでに時効を理由に棄却されていた。検察はこの問題を解消する文言を加えた新たな起訴状であらためて大陪審にかけ、起訴内容を復活させた。オスカーも受賞した映画界の元実力プロデューサーはまたもや形勢不利となった。

失墜した映画界のドンは、知名度と健康衰弱の理由から、現在LAのダウンタウンにあるツイン・タワー拘置所で事実上隔離状態におかれている。この日は手錠をかけられ、茶色の囚人服に身を包み、車いすを押されて出廷した。顔は青白く無精ひげだらけで、感染予防のマスクで口元を覆っていた。ワインスタイン被告が口を開いたのは期日放棄と後半に知事の確認だけ。5人の匿名女性に対する性的暴行11件の公判は、最長で来年4月まで延期される。

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審問を終えた被告弁護人のマーク・ワークスマン氏は、ワインスタイン被告が「複数の」不起訴となった行為や被害者の証拠採用に対抗するつもりであると述べた。

「我々は同氏が公平な裁判を受けられるよう全力を尽くします。ですが厳しい状況ですね」と、ワークスマン氏は報道陣に語った。「あちらは矢でも鉄砲でも投げてこようとしています。我々は公平のために証拠の制限に努めます」

ワインスタイン被告のニューヨーク州での裁判でも、衣装デザイナーのドーン・ダニングさんとモデルのタレル・ウルフさんの強烈な証言を含む不起訴事件の証拠採用が大きなカギとなった。裁判の結果、被告は第3級強姦罪と第1級性的暴行罪で有罪判決を受け、懲役23年を言い渡された。

カリフォルニア州では、ワインスタイン被告は2004年から2013年にかけてビバリーヒルズ近辺のホテルで行われた事件で、女性3人に対する強姦と女性2人に対する性的暴行で起訴されている。被告は7月21日当初、ロサンゼルス郡で11件の起訴内容に対し無罪を主張したが、弁護団は時効を理由に訴因5に対してただちに異議を申し立てた。

Translated by Akiko Kato

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