ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」

Photo Illustration by Sean McCabe. Photographs used within illustration by Jack Robinson/Hulton Archive/Getty Images; Michael Ochs Archives/Getty Images, 3; Paul Natkin/WireImage; Val Wilmer/Redferns/Getty Images; Theo Wargo/Getty Images; Jack Mitchell/Ge


20位→16位

20位 ロビン「Dancing on My Own」(2010年)
WRITER(S):Robin Miriam Carlsson, Patrik Berger

スウェーデンが生んだディスコの女王ロビンはこの曲で、ダンスフロアの隅で弧を描きながら1人で踊り続けることの苦しみと同時に、ビートにすべてを委ねることで得られる恍惚とエクスタシーを描いてみせた。「私はクラブで踊るのが大好きなんだけど、フロアの人々を見ていると『ここで何してるんだろう』って不思議に思うの。『Dancing My Own』にはそういう気持ちが表れていると思う」。彼女は後にそう語っている。ストックホルムを拠点とするプロデューサーのPatrik Bergerと共作したこの曲によって、ロビンはアイコニックなカルトヒーローとなった。同時にこの曲は、テイラー・スウィフトやロードに代表される新世代のソングライターたちにとって、喜びと悲しみが絶妙なバランスで同居した曲のテンプレートとなった。ロードは同曲について、「私にとってはお手本のような曲」と語っている。「張り裂けそうな思いを抱えながらも、喜びに満ちている」



19位 ジョン・レノン「Imagine」(1971年)
WRITER(S):John Lennon, Yoko Ono

「彼は決して、この曲がアンセムになるなんて思っていなかった」。ヨーコ・オノは後年、1971年3月に同曲が生まれた時のことについてそう語っている。「『Imagine』はただジョンが信じていることを歌った曲だった。『世界はひとつで、国や人々の間に隔たりは存在しない』という考えを、彼は世界中の人々と共有しようとしていた」。レノン自身、「Imagine」が「実質的に共産主義者のマニフェスト」であると認めている。しかし同曲のメロディのシンプルな美しさ、心の平穏を滲ませた歌声、そして共同プロデューサーのフィル・スペクターによる、レノンのヴォーカルを優しいストリングスと爽やかな風のようなエコーで包み込む詩的なアレンジは、同曲の根源的な温もりを強調している。この曲が特別であることを自覚していた彼は、晩年に行われたインタビューのひとつで、「Imagine」がビートルズのどの作品にも劣らない曲だと語っている。



18位 プリンス&ザ・レヴォリューション「Purple Rain」(1984年)
WRITER(S):Prince


1983年に行われた『1999』ツアーの際に、アリーナで競演したボブ・シーガーに感化されたプリンスは、彼が得意とするようなバラードを書こうと考えた。しかしそれは「Night Moves」のようなものではなく、愛、信頼、神、そして紫の雨という自分にとって大きな意味を持つテーマを反映したものでなくてはならなかった。「あの曲は特別だった」。レヴォリューションのメンバーであるボビー・Zはそう語っている。「カントリーのようであり、ロックのようでもあり、ゴスペルのムードさえ感じさせた」。サントラ盤『Purple Rain』に収録されているバージョンは1983年のライブ録音だが、彼はその音源に磨きをかけ、映画のタイトルに見合った壮大なアンセムへと昇華させた。映画の公開後も、同曲と凄まじいギターソロの衝撃はさらに広がっていく。1985年発表のコンサート映像『Prince and the Revolution: Live』に収録されている、実に19分に及ぶ同曲のパフォーマンスは圧倒的だ。



17位 クイーン「Bohemian Rhapsody」(1975年)
WRITER(S):Freddie Mercury

ロックが最も壮大だった70年代を象徴する曲として、これ以上に相応しいものはないだろう。実に180のヴォーカルテイクが採用されているとされる「Bohemian Rhapsody」は、6分間のうちにロックからオペラ、ヘヴィメタル、そしてポップまで網羅する。その出来はエレガントそのものだが、同曲のレコーディングは困難を極めた。フレディ・マーキュリーは自分にしか理解できない奇妙な記号に満ちたボロボロの紙切れをピアノに貼り、コードを奏でながら他のメンバーに自分に続くよう要求した。その難題を見事にクリアした彼は、ある男の命を奪うという行為(自身の異性愛者のイメージを破壊することのメタファーという見方もある)と、スカラムーシュのようなコメディア‐デラルテ(イタリアの即興喜劇)のキャラクターたちについて歌い上げる。レコーディングでは機材を酷使し、オーバーダビングを幾度となく繰り返すうちにテープはほぼ透明になってしまったというが、「Bohemian Rhapsody」が人間という存在の不条理な悲劇とユーモアを体現したマスターピースであることは確かだ。



16位 ビヨンセ feat. ジェイ・Z「Crazy in Love」(2003年)
WRITER(S):Shaun Carter, Beyoncé Knowles, Eugene Record, Rich Harrison


プロデューサーのリッチ・ハリスンは「Crazy in Love」のビートに絶対の自信を持っていたが、周囲の人々には理解してもらえなかった。そこで彼は70年代のソウルグループであるシャイ・ライツの「Are You My Woman? (Tell Me So)」の重厚なホーンセクションをサンプリングし、自ら考案したパートをいくつか加えた上で、そのビートに相応しいアーティストと出会うまで温存することにした。「ビヨンセからの連絡を待ってたんだよ」。彼は後にそう語っている。ソロに転身したビヨンセのキャリアの幕開けを飾った同曲は、ポップの頂点を見据える彼女のステートメントでもあった。ジェイ・Zによる問答無用のヴァースが加えられたのは、曲の完成間際のことだ。当時2人は交際を始めたばかりであり、誰かに夢中になることを歌った同曲の歌詞が描くのは、彼女のいう“恋愛のファーストステップで、気持ちを抑えられるなくなる一歩手前”の状態だ。


Translated by Masaaki Yoshida

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