ビッケブランカが語る、「歌」を絶対的主役に置く方法

ビッケブランカ



ー「FATE」は、最初に〈みちのくの二本松〉という具体的な描写から始まります。それが意外だったんですけど、どういう着想で選んだ言葉なんですか?

これは、ひねり出した感じじゃないんですよ。〈みちのくの二本松〉って書いて、松という言葉から僕の実家の目の前のオオノさん家の松を思い出した。オオノさん家の柿をもらいにいこうとすると、庭にある松が目に刺さりそうになる。自分の経験がここまで明確じゃなくてもピッと映像で入ってきて、棘って言葉がすぐ出てきたんです。そうした連続性でピピピピピって歌詞ができていきました。



ーそもそも〈みちのくの二本松〉ってなかなかパッと出てこない言葉なのかなと。

その時、川端康成の『掌の小説』を読んでいたような気がしますね。そうするとそういう表現が出てくるんですよ。ポルノグラフィティの曲に地元の地名を歌った歌があるんだとテレビで観たことがあって。自分だったら名古屋の〈桜通り〉って歌詞に入れてみようかなあって。そのくらいの感覚で蓄積が偶然歌詞をボンっと出すんです。

ー「よだか」も文学的な単語ですよね。

『よだかの星』は本当に感動した覚えがあって、未だに忘れないです。たぶん、〈みちのくの二本松〉という言葉があったからこそ、よだかが引っ張られていると思っているんです。もしかしたら僕の記憶が違っていて、よだかが先だったかもしれないけど、結局は全部が繋がり合って呼び合って一瞬のピピピピピって瞬間がくるのを待っている。普段ダラダラしながら、切迫感も心がギスギスすることもなく絶対出てくるって感じでぼーっとしていると、1個出て、そこから繋がっていって10個出てくるみたいな感じですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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