ビッケブランカが語る、「歌」を絶対的主役に置く方法

ー『FATE』発売前に、4曲入りEPを2ヶ月連続で配信リリースと、かなりハイペースなリリースをされてきましたが、どうしてそのような方法をとったんでしょう?

本当にギリギリで生まれたアイデアだったんです。全部のスケジュールを組み替えるレベルというか。9月にアルバムをリリースすることは決まっていたんですけど、「4枚目だし、なんか新しいアイデアないですか?」ってチームのメンバーで話していたときに、EPを2枚出してアルバムに繋げれば、EPに収録されている曲にもフォーカスが当たっていいんじゃない? って話になって。めっちゃいいじゃないですか、やりましょう!って言ったのが6月初旬なので、最初の7月のEPまで1ヶ月間は制作がまじで地獄でした。

ーそこまでのスピード感だったんですね!? 毎月ギリギリのスケジュールの中、楽曲制作をすることで、どんな学びがありましたか?

1曲とガッと向き合うので、気が散らなかったというのがあります。でも、つらすぎるかな(笑)。今日1日で仕上げないといけないみたいな日に何も思い浮かばなかったことが何回もあったんですよ。でも、なんとかなるとずっと思えていたし、実際そうなったからよかったという感じでしたね。

ーそういう意味で、これまでの3作のアルバムとは成り立ちが異なっているわけですね。

『wizard』(2ndアルバム/2018年11月発売)とか『Devil』(3rdアルバム/2020年3月発売)、その前の『FEARLESS』(1stアルバム/2017年7月発売)は全体を通した作品という意識で作っていたんですけど、今回は1曲1曲との向き合いでしかなくて。自分が作る姿勢として、それを許すことができるようになった。それは自分もサブスクで音楽を聴いていて、アルバムじゃなく1曲に十分感動させられる経験をしたからで。アルバムの4曲目だけを聴くとかってことをリスナーとしてもやってきているので、自分のアルバムでもそういう意識でやれたのかなと。時代の進歩とともに作り方も変わった感じですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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