ーニューヨークでは自らオーディションを受けて、アマチュアの歌手やダンサーなどがプロへのチャンスをつかめる登⻯門の「アマチュアナイト」に出場、観客の前でパフォーマンスをしたそうですね。アポロシアターに3回も立っているんですよね。
最初の頃は語学学校に半年間行っていたんですけど、1年目なのでセントラルパークに行ったり、ニューヨークを満喫していた部分もあったんです。1年目が終わろうとした時に、何か結果や爪痕を残したいなと思って、近くでやっているオーディションを調べた時にアポロシアターが出てきて。タイミングよく1週間後か2週間後ぐらいにオーディションがあったので、行こうと思って行きましたね。
ー思ってからすぐ行動に移す行動力がすごいですね。
あの頃は、何も考えずにとりあえずやってみるという気持ちがすごく強かったです。瞬発的に動いていたのかなと思います。
ーアポロシアターのステージに立ってみていかがでしたか。
アメリカで初めてちゃんとしたお客さんの前でするパフォーマンスだったので、すごく緊張しました。僕が出たのはキッズのカテゴリーだったんですけど、歌い出したら歓声が湧いて。そういう歓声を受けたことがなかったので、こういうことをしたらこういう反応をしてくれるんだというか。そういうのを1番間近というかリアルに体験できましたね。
ーそれは自信に繋がっていったんじゃないですか?
自信に繋がったんですけど、アポロシアターって特殊な場所で。歓声で勝ち負けが決まるので、どうやって盛り上げるかとか、何をしたら勝てるかという路線にガーッといっちゃうような場所でもありました。何回か出るうちに、芸術感にこだわりを持ってやりたい自分とちょっとずれていったのは自分の中で感じていったんです。
ー勝ち負けではなく、表現したいという自分の気持ちがわかったと。
お客さんが好きそうな曲や、高い音程が入っている曲をわざと選んだり、お客さんを楽しませるという面でアポロシアターは試行錯誤しないといけない場所でした。それはそれで楽しいんのですが、自分はこういうアーティストなんだと見せる場所ではないなというのを感じて。自分が将来アーティストとして想い描いたのは、自分だけしかできないような表現だったり、伝えたいことを世界に共有する気持ちで、それがだんだん強くなっていきました。