『ネヴァーマインド』の赤ちゃん、児童ポルノでニルヴァーナを提訴

アルバム『ネヴァーマインド』のカバーに写るエルデンは生後4ヵ月で、この写真はカリフォルニア州パサデナにあるプールで撮影された。法律上、性的な特徴を付与していない幼児の写真は児童ポルノとは見なされないのだが、この訴訟ではエルデンの写真は性の対象となるものとして異議を唱えている。

その一例として、訴状で主張されている点が、写真家のウェドルはこのカバーを見た人が「直感的に性的な反応を起こす」ことを意図して、スペンサーの「咽頭反射」を刺激してから水中に放り込み、露出したスペンサーの性器を強調したポーズをとらせた、と言うのだ。さらに、ヌード写真と釣り針にひっかけた1ドル紙幣の組み合わせで、スペンサーは「セックスワーカーのような」描かれかたをしている、と。

この訴訟では、スコーピオンズの『熱狂の蠍団 ヴァージン・キラー』、ブラインド・フェイスの『Blind Faith』、ヴァン・ヘイレンの『バランス』など「子供を描いたものや明白な児童ポルノ」と物議を醸したアルバムカバーと、『ネヴァーマインド』のカバーを比較している。そして、「他の物議を醸したアルバムカバー同様に、被告人たちは露骨なイメージで注目を集めようと画策し、ひいては慎重に配置されたスペンサーの肥大した性器が世界中の注目を集めるに至った」と主張している。

『ネヴァーマインド』が世界的な大ヒットになったことを指摘したのち、スペンサーはこの写真に対するいかなる支払いも得ておらず、彼も彼の後見人も「スペンサーやスペンサーが所有する写真の使用および公開についての許可を与える契約書に署名すらしていない。もちろん、彼が描かれた児童ポルノ商品の許可も与えていない」と、訴状に明記している(エルデンの父親リックはウェドルの友人で、2008年にラジオ局NPRでこの撮影の報酬として200ドル得たと話している)。

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エルデンはこれまで(ヌードではなかったが)『ネヴァーマインド』写真の思春期バージョンと大人バージョンを制作しているにもかかわらず、訴状は「スペンサーが描かれた児童ポルノの販売と所有によって受けた傷に、これまでも今後も苦痛を感じ続ける」と続く。そして「身体的症状を伴う極度かつ永続的な精神的苦痛、正常な発達と教育課程での妨害、生涯に渡る収入獲得能力の喪失、過去および将来の賃金の喪失、過去および将来の医療や精神療法のための費用、生活の楽しみの喪失」など、裁判で決定されるべき損失の明記で締められている。

Translated by Miki Nakayama

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