チャーリー・ワッツ秘蔵インタビュー「僕がロックを一緒にプレイするのは彼らだけ」

チャーリー・ワッツ、2013年撮影(Photo by Andy Sheppard/Redferns/Getty Images)


キース・リチャーズは「予想不可能」

「僕がジャズをクラブで演るのが好きなのは、その興奮をダイレクトに感じられるからだ。自分が求めてるのはこれなんだって思える。ミックはソングライティングとかにより重点を置いてるかもしれないけど、他のメンバーは僕と同じじゃないかな。キースは絶対に何よりもライブが好きだと思う」。そう言ってチャーリーは笑う。「そう考えると、リハーサルなんて無意味なのかもね。もちろんしっかりやるんだけどさ、これまでもそうだったようにね」

常にルーズな部分が用意されているために、ストーンズの公演は毎回何かが少し違うという印象を受ける。

「それはキースによるところが大きいね。キースのプレイはジャズをすごくルーズにしたような感じなんだ。予想不可能だけど、息を合わせることができれば特別なものが生まれる。それってまさにジャズだから、彼とはすごく相性が良いんだ。曲がまるで予想しない方向に向かっていくこともあるよ。ロイ・ヘインズは、頭の回転の早いバード(チャーリー・パーカーのニックネーム)とのプレイではとにかく迅速な対応が求められるって話してた。キースにもそういうところがあるんだ。スタイルこそチャーリー・パーカーとはまるで違うけど、フィーリングは同じなんだ。急に方向転換したりするんだけど、彼の考えを読みつつ音を合わせるのはすごく楽しいよ。それがルーズであることの魅力なんだ。息を合わせることができなければ散々な結果になるっていうリスクも含めてね」



「息を合わせる」というのは、アリーナの大きなステージではより困難なのでは?

「狭い空間の方がお互いの音を聞きやすいのは確かだけど、最近はステージ用機材の技術の進歩が目覚ましいからね。昔はキースのVoxのアンプを椅子の上に置いて、僕が聞きやすいよう少し傾けた状態で固定したりしてた。実を言うと、それは今も変わってないんだけどさ。僕のハイハットのすぐ隣には、今でも彼のアンプが置いてある。女の子たちの声援が大きすぎて自分たちの音がまともに聴こえなかった頃、僕はそれをビートルズ時代って呼んでるんだけど、当時はPAも今のように立派なものじゃなかったから、僕はビートがずれてしまわないようにキースが出す音に全神経を集中させてた。実のところ、ミックのヴォーカルはほとんど聞こえてなかった。最近の機材はものすごく進んでて、逆に音が大きすぎるんだ。僕らみたいなバンドが小さなクラブで演奏するときは、いつもの半分程度の機材しか使わないんだけど、それでも適切とは到底言えないくらい大きな音が出る。そのギャップには、これまでもずっと苦労させられてきた。スタジアムとクラブの両方で同じようにやるのって、ものすごく難しいんだ」

Translated by Masaaki Yoshida

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