日本車のカスタムカーがTikTokで大人気、主役は20代女性

「TikTokに投稿する代わりに、無料でパーツを提供してくれました」

女性の輸入車ファンがとくにTikTokでつながっている理由は、TikTokの最新アルゴリズムのおかげだ。同アプリはユーザーがアクセスしたコンテンツをもとに、よりすぐりの動画を延々とフィードにあげる。すなわち輸入車の動画をいくつかフォローしたり、動画にコメントしたり、いいねを押したりすれば、そのジャンルの拡散動画がどんどん表示されるのだ。

ナディーン・スーさんは女性の輸入車ファンを対象とした団体「Drifting Pretty」の創設者。彼女いわく、TikTokで「cargirl」動画に触発された女の子たち――日本国内市場向けの車を買うことはできないが、何とかしてレースに参加する女の子たちを大勢見てきたそうだ。「カリフォルニア州フォンタナにはゴーカート用のレース場があって、そこでは車や免許がなくてもレースできます」とスーさんは説明する。「カートですが、スピートは速いです。実際これが本物のレースのベースになるんです。カートレースに持ちこたえられれば、ドリフトレース――前輪をターンの方向と真逆に向けながら、車を路面でスライドさせる究極のレースだろうと、ロードレースだろうと何だろうと、きっと耐えられるでしょうからね。車を貸してくれるレース専用の教習所もたくさんあります。誰でも入学OKで、必要なのは運転免許だけ。本当に誰でも参加できます」

女性の輸入車信奉に肯定的な意見が押し寄せる一方で、やはり偏見は避けて通れない。オカミさんも、表に出ることでこれほど多くの反響があるとは予想もしていなかった。「一晩で何千もの人が意見を寄せてきました。まったく想定外でした」と本人。「もちろんいいコメントの方が多いですが、誰でも否定的なコメントのほうが胸に刺さるでしょう」。紫のトヨタ・GRスープラの改造工程をTikTokで公開している輸入車ファンのヌー・チャンさんも同意見だ。「本当は自分の車じゃないんだろ、というようなコメントがたくさんきました」とチャンさん。「実際に自分で改造しているわけじゃないんだろう、車の改造のことなんか何も知らなくせに、とかね」

チャンさんはネット批判に反論する代わりに、初めて購入した輸入車の改造方法をオーディエンスに伝授することに専念した。お金のかかる場合もあるため、改造に手を染めるのをためらう若いドライバーも多い。「みんなに言っているんですが、私も最初は5000ドルのフォード・フォーカスから始めたんですよ。スポーツカーですらありません。でも、それがあの当時の私の全財産でした。そこから始めて、目標に向かって積み重ねていきました」。ほんの少しの予算と計画があれば、車の改造は実現可能だ、と彼女は言う。「TikTokに改造工程を投稿するのも役に立ちます」とチャンさん。「メーカーから連絡があって、スポンサーを申し出てくれたんです――TikTok動画を投稿する代わりに、無料でパーツを提供してくれました。おかげですごく節約できています」

Translated by Akiko Kato

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