松本隆の作品に通底しているもの、トリビュートアルバムを本人と振り返る



田家:今お聞きいただいているのは、アルバム9曲目「風の谷のナウシカ」。歌っているのはDaokoさんです。1997年生まれ。オリジナルは1984年で安田成美さんが歌われました。Daokoさんにはどんなことを思われますか?

松本:彼女もすごい歌がうまいよね。アレンジもポップで新しい感じもするし素晴らしいね。今回のアルバムは全曲素晴らしくて(笑)。

田家:亀田さんは細野さんが曲を書いて、松本さんが詞を書いたコンビの色々な曲がある中での最高傑作がこれではないかと仰っていました。

松本:そうかもね。難しい曲だよね。安田成美さんがかわいそうだよね、こんな難しい曲をデビュー曲で作られても困るよね。

田家:彼女は「風の谷のナウシカ」のイメージガールオーディションで選ばれて、歌の実績があって起用されたわけではないんですよね。

松本:いきなり歌えって言われて、本人が一番戸惑ったんじゃない? 45周年の時にステージに出てきてくれて僕は本当に嬉しかった。

田家:この「風の谷のナウシカ」の作品については当時どんなことを思われました?

松本:今と似てるよね。人間が勝手なことをしすぎて地球全体が滅びようとしている。ナウシカは一生懸命頑張る。そういうことだよね。

田家:風の谷という場所があって、風が通っていくということが人間を守る自然現象なんだと。風が村を守るっていうのが、改めてコロナ禍で違う意味を持つようになった。

松本:放射能とかコロナとか色々な人類の敵があって、それで儲ける人たちもいて。これからはそういう闘いになるよね、政治だけじゃない。生きる権利を賭けて闘う時代になると思う。

田家:そういうことも思いながら、改めてこの曲をお聞きいただけたらと思います。安田成美さんで「風の谷のナウシカ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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