松本隆の作品に通底しているもの、トリビュートアルバムを本人と振り返る



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」。7月14日に発売になりました、松本隆作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』を1ヶ月間にわたってご紹介しました。先週と今週のゲストは、松本隆さんご本人でした。今流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

松本さんがお書きになった詞が約2100曲。ご本人も全曲リストはクラクラするから見てないとは仰っていましたが、そうなんだろうなと思いました。その中で、このアルバムに収められてるのは11曲。わずか11曲という言い方もできるんですが、この11曲のどれをとっても松本隆なんですね。松本隆さんという作詞家が、色々な角度から味わうことが出来る。結果的にそう曲が選ばれているということでもあるんだろうし、実はどの曲をとっても作詞・松本隆の曲なんだ、と思うんです。ご本人も仰っていましたが、通底している。聞き手の中ではあの曲とこの曲は別物と思っている曲が実は同じ流れの中にある。シングルのB面の曲でも、アルバムの曲でもクオリティが変わらない。テーマやイメージ、歌おうとしていることがつながっている。どの曲をとってもちゃんと分かるから11曲でも松本隆という全体像が感じられる。改めて、二度と出てこない作詞家だと思います。

実は私事なんですが、この50周年に先駆けて松本さんの中に通底しているものを追ってみたいなと思って始めた連載がありました。スタジオジブリの月刊誌「熱風」という雑誌の中で「風街とデラシネ : 作詞家・松本隆の50年」という連載なんですが、10月にそれが書籍になります。それに連動したアルバムも出る予定なんですが、この話は10月にまた続きをやりたいなと思います。亀田さんの話、松本さんの話。とてもためになりました。そういう番組でした。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE