松本隆の作品に通底しているもの、トリビュートアルバムを本人と振り返る



田家:歌い継がれるということについて、改めてどう思われますか?

松本:今回のアルバムは歌い継ぐというのがメインテーマですよね。それを噛み砕いて言うと、僕らが活躍した1970年代、1980年代に生まれてなかった人たちが歌っているわけです。その人たちのファンも皆生まれていなかった。自分達世代に評価されるのって当たり前じゃない? そうじゃなくて、当時生まれてない世代に評価されて初めて本物になれると。そういう意味で初めて僕は本物になれたんじゃないかなと思う。

田家:なるほど。50周年をドラマーとして迎えようとしていらっしゃるそうですが。

松本:まさか(笑)。スタッフはなんかやってほしいみたいですけど、僕は72歳になって不安な要素を持ちたくないと思ってます。まだコロナも頑張って暴れてますからね。そういうライブ自体もあるかどうか分からないし。僕なんかの50周年なんてアバウトだからね。元々僕と細野さんはエイプリル・フールで同じ年にデビューしたわけで、同じ年に50年迎えるわけじゃない。細野さんの50周年の時は、僕は全部譲ったの。僕のスケジュールを全部引っ込めて、先に細野さんにやってもらって。僕は翌年やろうかなと思ったら、コロナとかオリンピックで。もう53周年くらいになってるんじゃない(笑)。55周年まで後2年しかない、毎年周年やろうかな。

田家:ドラマー・松本隆が見れるかどうかも一つの楽しみですね。2週間ありがとうございました。

Rolling Stone Japan 編集部

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