松本隆の作品に通底しているもの、トリビュートアルバムを本人と振り返る



田家:アルバム『風街に連れてって!』の11曲目「風をあつめて」。1971年のはっぴいえんどの『風街ろまん』の3曲目です。アルバム『風街に連れてって!』のタイトルは、松本さんがお付けになったんですよね。

松本:そうです。前作の、ビクターでのトリビュートが『風街であひませう』だったんだけど、会いましょうだとお互いによく知っているところで待ち合わせる感じがある。今回は世代が違うから。女の子がまだ知らないところに、男の子が連れていくというのがいいかなと思って。連れてって! という女の子の熱意がいいなと思ってね。知らないところに行きたいみたいな女の子の気持ちがいいなって思って。

田家:なるほど。

松本:ジャケットの話もしていい? 山本有彩さんの絵を最初にインターネットで見て、この人の絵好きだなと思って。たまたまその時銀座で個展をやってるということで、そこに行ったの。一枚25万円〜50万円で全部売約済みだった。一枚だけ、横長のおっきい絵があってそれは100万円だと。高いなと思ったんだけど、これも縁だからと思って買っちゃったのね。今は自宅にその絵を飾ってあるんだけど、そのあとマネージャーがジャケットに起用したい画家いますか? って訊くから3人くらい挙げた人の中にも山本さんもいて。コロムビアもデザイナーもこの人がいいってことで、二枚の絵を描いてもらって。それがアルバムのCDのジャケットとアナログのジャケットで、それはボックスに入ってるわけで。ボックスは水色で、宝石屋さんからお中元が来ましたみたいな重たいものなんだけど(笑)。

田家:100ページのブックレットも付いてますからね。こんなブックレットのついたアルバムがあっただろうかと(笑)。

松本:全てが本気だよね。本気で愛が詰まってる。

田家:『風街に連れてって!』は女の子の言葉だと仰いましたが、この曲を歌っているのはLittle Glee MonsterのMAYUさん・manakaさん・アサヒさんで、manakaさんは細野さんフリークだそうです。

松本:細野さん、若い女の子にモテるね(笑)。

田家:では続いて、はっぴいえんどの原曲「風をあつめて」をお聞きください。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE