ウッドストックからトゥモローランドまで 悲惨な結末を迎えた音楽フェス5選

ウッドストック’99から2015年のトゥモローランドまで、本来の想定と異なる悲惨な結末に終わった音楽フェス5選を紹介する。


Photo : Getty

1990年 グラストンベリー・フェスティバル
イギリスで最も有名な音楽フェスでもある「グラストンベリー・フェスティバル」の1990年の回について、当時取材を行ったロンドン・テレグラフの記者ジェームズ・デリンポールは、「3日感にわたってひどい雨、泥に見舞われ、ひどい悪臭を放つ便所や人混みによりほぼ窒息しているような状態だった」と語っている。水浸しになった地面の上には、ザ・キュアーやシネイド・オコナー、アシッドハウスの先駆者であるアダムスキーを一目見ようと、信じられないほどの人が集った。しかし、それだけでは収まらず、フェスの終了直後にはまさに災害としか言いようのない悲惨な事態になってしまった。

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フェス会場の横では、1970年代からこのフェスに参加していた観客や地元の住民たちに対しては、オズリック・テンタクルズやホークウインドのようなバンドが出演する無料の音楽イベントも開催されていた。フェスが終了すると、観客がゴミの山とかした会場付近にたむろし始めた。こうした観客らと会場のセキュリティが騒動を引き起こし、のちに「ヨーマン橋の戦い(ヨーマン:14〜15世紀ごろのイングランドの独立自営農民)」と呼ばれる暴力的な争いが起こった。この争いの一部始終を見ていた観客は、「ひどく暴力的な戦争のような状態だった。昔の西部劇か、マッドマックスを見ているみたいだと思った」と語っていた。翌年、グラストンベリー・フェスティバルはセキュリティの見直しを行うとして開催されず、騒動の様子を写していた画像は徐々に闇に葬られていった。

Translated by Kazuhiro Ouchi

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