韓国生まれ東京育ちのkim taehoonが語る、現代のボーダーレスの在り方

ー今回配信になった「JAPAN AND KOREA」は、かなり直接的なタイトルですよね。どうしてこういう曲を作ろうと思われたんでしょう?

これまで、前回のインタビューでルーツについて掘っていただいたり、他社メディアさんで「kimくんのルーツはどこにあるの?」と問われたりと、ぼくが考える日韓について語る機会は結構あったんですよ。それに対して口では語ってきたんですけど、今回は作品を通して自分のスタンスを示したかった。正直ボーダーとか、カラーとか、そういうタイトルで匂わせて曲にすることもできたんですけど、ある意味ぼくにしかできないタイトルだと思ったし、そこに自分のオリジナリティを感じたのでこのタイトルにしたんです。

ーなぜ、今のタイミングだったんですか?

良くも悪くもBlack Lives Matterとかアジアンヘイトがトレンドとしてピックアップされていたことも背景の1つではあるんですけど、ぼく自身の2021年の活動テーマが「kim taehoonをもっと色んな人に知ってもらう」だったことが大きいですね。1作目はGokou Kuytっていう世間的には異次元とされるジャンルのラッパーとコラボしました。「JAPAN AND KOREA」は2作目として、韓国にゆかりのあるアーティストをフィーチャーしたいとも思ったんですけど、まずは自分のスタンスを示したいな、ということで1人での曲にしたんです。自分の中で、一般的にボーダーがあるとされるものを混ぜて1つにする試みが今回の連続リリースの作品の大枠なんですよね。

ー以前からこういう作品を作りたい構想はあったんですか?

それが全然なかったんですよ。自分でもなんでか分からないんですけど、鼻歌からサビとか適当なメロディや歌詞を当てたりしているデモの段階で、メロディに「JAPAN AND KOREA」って乗せていたんですよね。それがなんか気に入ってしまって作り始めて。本当にいろいろな要素が勝手にインプットされて、情勢なども相まって、今回の曲ができたんだと思っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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