亀田誠治が語る松本隆トリビュートアルバム「全亀田を投入した」



田家:原曲のイントロのフレーズはサビの後に出てきましたね(笑)。そういうトリビュートの時って、作り手が自分の色をどこまで出すか、そのバランスも考えないといけないわけでしょう。

亀田:そうですね。といいつつも、僕は常々アレンジっていうのは楽曲の一部だと思っていて。オリジナルで何が施されているかというのを特に大事にしたいんですよね。僕は50代になってからロサンゼルスで、現地のアーティストやプロデューサーと共作しているんです。それは武者修行も兼ねていてまだ数えるほどしか当選していないんですけど、それをやっていると、アレンジというよりもトラック自体が曲なんだという感覚で現地では曲が作られていて。その感覚にしっかり立ち返っていないとJ-POPと洋楽がどんどん乖離していくという危惧があります。そういう意味で、原曲からこんなに変わっちゃったということを喜ぶだけでなく、原曲のいいところをどれだけ伝えていくか、原曲が生まれた時代をどれだけ今の時代に翻訳して伝えていくかということを常に考えています。さっきの「キャンディ」もオケは変わってますけど、重要なフレーズは残してある。記憶の中にあるアレンジやメロディも楽曲の一部ということは常に意識してますね。

田家:なるほど。1981年がこういう風になりました。アルバムの10曲目、横山剣さんで「ルビーの指環 」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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