亀田誠治が語る松本隆トリビュートアルバム「全亀田を投入した」



田家:アルバムの1曲目は吉岡聖恵さんの「夏色のおもいで」。バンドの金字塔が『風街ろまん』で、「風をあつめて」はその中の曲で、作詞家としての最初のヒットが「夏色のおもいで」。1曲目と最後の曲が対になっていて、もう一回ここに帰ろうという流れにも思えますね。

亀田:はい。そういう意図でこの曲順になりました。何より風というキーワードは意識しましたね。タイトルには出てこないけど、「夏色のおもいで」の中でも風という言葉がすごく重要で。たかが50年、されど50年と言いますか、この色あせなさはすごくないですか?

田家:言葉ですからね。色々な時代に流行り言葉や死語もあったりしますが、時代によって左右されてくるにも関わらず、色あせず生き続けている。

亀田:よくはっぴいえんどは日本語ロックの創始者と言われますけど、そんなに簡単なことではないと僕は思っていて。常に言葉の美しさや響き、そして言葉が人に対してどういう気持ちでどういう感情を呼び起こさせるかということを非常にセンシティブに扱っていらっしゃるので、僕は松本先生は言葉の錬金術師だと思うんです。やたら人を煽るということもないし、事勿れ主義でもないですし。とにかく松本先生がすごいのは、言葉だけでそのアーティストカラーを引き出していく力があるということですね。

田家:それでは本日最後の曲です。アルバム1曲目、吉岡聖恵さんの「夏色のおもいで」。

Rolling Stone Japan 編集部

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